忠さんが陣頭指揮をとってマフラーを開発していく実際のストーリー|マフラー開発奮闘記

2022~SV650ABS編 其の拾壱

★丸秘の部材を埋め込むことが提案された。★

あれから基本的な特性を決めようと5mm単位で、
切っては溶接で、繋いで切っては繋いでの繰り返しをして
パイプの長さを調整し、次に太さも変えて色々トライをしてみたけど、
想像していたような特性には微塵も近づかない。
クラッチミート直後の特性は未だ健在だけどこれだけでは・・・・。

すると開発チームのチーフから思わぬ提案が、
エキパイの仕事は基本、排気脈動をコントロールして
任意の回転域にシリンダー内の混合ガス充填率を高めること・・・・ 
排気関係で究極の脈動コントロールと言ったら2サイクルのチャンバーでしょう。
ということで、昔2サイクルのチャンバー(マフラー)開発を担当していたチーフの発想で
パイプの中に排気脈動をコントロールする。
丸秘の部材を埋め込むことが提案された。
しかしこの部材の形状や取り付け位置など前例がない。
本当に性能が引き出せるかどうかもわからない。
でも面白いからやってみますか。

SPTADAO開発チーム
 

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MT-07 2021~編 其の拾弐

  • 投稿日時:2022年10月24日
  • カテゴリー:MT07 2021~

★『気持ちイー!』 理想のマフラーに仕上げることが出来た。★

最後にエキゾーストパイプのバイパス位置を変えたり、太さを変えたり、外してみたり、
更には、長さを微調整したり・・・
結果シャーシダイナモ上のラインは完璧に綺麗なラインで繋がった。
実際の走りはどうだ?

毎回マフラーの特性をチェックする前にマフラーを純正に戻して
一回走らせるんだけど、本当にMT07のスタンダードの走りは完璧なんだ。
この走りを味わうたびにプレッシャーを感じてきた。
果たして、これ以上にライダーを幸せに出来る、
『気持ちイー!』走りを引き出すマフラーは出来るのだろうかって。

ほっ! 今日、やっとそのプレッシャから解放された。
『気持ちイー!』 理想のマフラーに仕上げることが出来た。よかった。
スタートからライダーをホッとさせる信頼関係、
2000rpmからマシンを軽く逞しく走らせる雄大なトルク、
7000rpmを超えて爽快に伸びていくパワーライン 
これはいい!最高気持ちイー! 
さあ、これでMT07との長く続いた楽しい時間は終了だ。

また製品が上がったら、試乗車を用意してライドオンキャンペーンに回ります。
MT07オーナーのあなたには一度体験をしたいただきたいなすっごくいいよ。

SP忠男開発チーム

ライドオンキャンペーンの詳細はこちらから

SP忠男開発チーム

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2022~SV650ABS編 其の拾

★ほんのわずかな長さの差でも特性が大きく変化してくれる★

前回はパイプの長さを10mm伸ばして、えらいことになってしまった。
長く伸ばして理想と逆の特性になってしまったのだから、
今度は逆に10mm短くしてみよう。

あ〜やっぱりそんなに簡単には行かないんだな、
全体的に腑抜けになって、トルク感が激減。ひどいね。
ほんのわずかな長さの差でも特性が大きく変化してくれる。
これは開発者にとって、とてもやりやすいのだけど 
あんまりいい方向に変化をしてくれない。

しまいに6000rpmから上のパワーが極端に落ち込んできていた。
う〜ん、面白いじゃないか。さあ次は何をする?

SPTADAO開発チーム
 

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2022~SV650ABS編 其の玖

★こんなに顕著に走りの質感が悪くなるなんて★

ギアチェンジをするたびに ガッツンガッツン、
どんつきが顔を出し始めた・・・。

これはひどい。 これはいかん。
たった、10mm伸ばしただけのはずなのに、
こんなに顕著に走りの質感が悪くなるなんて、
こんなに反応が、顕著にでるなんて珍しい? 
本当に10mm伸ばしただけなの? 

SPTADAO開発チーム
 

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Dax125編 序章

  • 投稿日時:2022年10月12日
  • カテゴリー:Dax125

★この愛らしい、そして懐かしいフォルム★

な、なんと早くも我が社にDax125がやってきた。
この愛らしい、そして懐かしいフォルム。
なんだか無性に乗りたくなるし、嬉しくなる。
 さあ、どんなマフラーをプレゼントしようかな。
 
SP忠男 開発チーム

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2022~SV650ABS編 其の八

★900ccのような雄大で、もう少し質感の高い走りを引き出す★

うん、まずはうまくいった。
2000rpm付近のトルクラインの凸凹が綺麗に整った。
その瞬間、走り出してすぐにライダーが、『ホッ』とする
POWERBOXパイプ独特のフィーリングが顔を出してきた。
このSV650ABSとライダーの信頼関係が深まった状態で、
沢山の時間を一緒にいると、だんだん贅沢な欲望が頭をよぎってきた。

そう、それはリッタークラスとまで行かないまでも、
900ccのような雄大で、もう少し質感の高い走りを引き出す。
そんなトルクラインに仕上げてみたいな。
それには、次に2000~5000rpmの間、
例えば3000rpmくらいで、ギアチェンジをした時に、
少しトルクの波にのまれて回転がわずかに落ちる感じ。
そんなことを感じているんだけど、
この回転域に少しトルクを盛り上げてトルクラインを整えてあげると、
多分このマシンはストントントンって、軽快にシフトアップが出来るようになって、
2000~5000rpmを若しくは~6000rpmを使った走りに『気持ちイー!』 を
引き出せるんじゃないかなって そんなことを感じているんだ。

実際に出来るかどうかわからないけど、もしそれができたら、
このマシン劇的に走りの質感が上がると思うんだよね。
まずは、低い回転域のトルクを引き上げるためにパイプを長く設定してみようかな。

SPTADAO開発チーム
 

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MT-07 2021~編 其の拾壱

  • 投稿日時:2022年10月07日
  • カテゴリー:MT07 2021~

★ライダーとの信頼関係がバッチリ築けている★

最後にサイレンサー内のインナーパイプ、
パンチングパイプ(消音のための穴の空いた網のようなパイプ)
の開口率にまで手を入れてみた。
こんなところにまで開発で、手を入れたのは何十年ぶりだろうか。
でも、その甲斐あって、なんとか理想の性能を引き出したまま、
音量を下げることが出来た。
しかも音質も低音で心地良い。いいぞいいぞ!

スタートからパーフェクトに整えたトルクラインで、
ライダーとの信頼関係がバッチリ築けている。
大切なのは、まさしくこの感覚だ。
2000rpm~6000rpmまでに豊かに引き出した逞しいトルクは、
マシンをさらに軽くさらに心地良い走りへと

その雄大な走りは700ccの域を超えている。
 あと、もう少し7000rpm手前のパワーラインの澱みをクリアできたら完成だ。
完成は、もうすぐそこだ。

SP忠男開発チーム

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2022~SV650ABS編 其の七

★独自のトルクラインを盛り込むことで、驚異的に高まるんだ★

まずは、過去のデータを元にトルク特性に
変化を起こせそうな長さを算出し、当てはめてみた。
この計算で、導き出したパイプの長さがなんと、バッチリ!

一番気になっていた2000rpm手前に発生していた
トルクラインの凸凹にしっかりと反応している。
少し長さの差引をしながら、この域のトルクラインを綺麗に整えてみようかな。
ここが成功すると、もうこのパイプの80%は完成したようなものなんだ。
ライダーとSV650ABSの信頼関係は、
この回転域に長い間うちの開発チームに受け継がれてきている
独自のトルクラインを盛り込むことで、驚異的に高まるんだ。
この回転域に信頼関係が築けないと、
いくらトルクを上げようがパワーを伸ばそうが、全く気持ち良くならない。
ここが、SP忠男の製品の肝だね。
さあ、どこまで上質な乗り心地にできるかワクワクが止まらない!
 
SP忠男 開発チーム

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2022~SV650ABS編 其の六

★この回転域のトルクラインを綺麗に整えてあげたいんだ★

そうそう、POWERBOXサイレンサーの性能チェックをする際に
ノーマル状態の車両で、1点どうしても気になっていたところがあるんだ。
それはクラッチを繋いでマシンをスタートさせるその瞬間、
多分2000rpm手前ぐらいかな・・・・。

トルクラインが、あまり整っていないようで、
スムースな出だしがやりにくいんだ。
すぐに慣れてしまうから、SV650ABSのオーナーは、
さして気にならないと思うけど、
実はこの辺りの特性を綺麗に整えると走りの質感を俄然アップするんだ。
そう、全く別物の高級マシン激変する。
そんなマシンは今までたくさん経験してきている。
まずはSV650ABSのこの回転域のトルクラインを綺麗に整えてあげたいんだ。

もし綺麗にトルクラインを整えて、しかもエンジンが右手の動きに
うまく追従できる絶妙なタイミングを生み出すことが出来たら、
一気にマシンがライダーと一体化してくれる。
まるで、自分の体の一部になったような一体感、
そしてそこからの豊かでフラットなトルクライン、
さらに高回転へと繋がる爽快な伸び、
なんとなくイメージは湧いている。 
さあ、このSV650ABSのフロントのエキゾーストパイプ一本で、
どこまで理想に近づけることが出来るのか、考えただけでワクワクしてくるね。

まずは、リアバンクのエキパイとスタンダードのフロントバンク用の
エキパイの中間くらいまで長さを伸ばして特性変化を探ってみようか。

SP忠男 開発チーム

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2022~SV650ABS編 其の伍

★POWERBOXパイプの開発に入ります★

みなさぁ〜ん、お待たせいたしました!
2022~SV650ABSのPOWERBOX パイプの開発スタートいたしま〜す。

SPTADAOの社長は鈴木忠男。
そして、SV650ABSも鈴木(SUZUKI)のマシンだから相性もバッチリ、
という事で調子に乗って、POWERBOXパイプの開発に入ります。

このマシンはきっと、SPTADAO開発チームにパイプを作らせたかったんだろうなぁ〜って、
勘違いさせるような素晴らしい構造のエキゾーストパイプを持っている。
そう、フロントバンク側のエキゾーストパイプが、
一本だけジョイントからちゃんと外れるようになっているんだ。
大体、他メーカーはエキパイが全部一体だったり、
エキパイの中に大きな排出ガス発散防止装置(触媒)がガッチリ入っていたりで、
オリジナルのエキゾーストパイプを作ろうとすると
丸々作らなくてはいけなくて、すっごいコストになってしまって大変なんだ。

その点SV650ABSは素晴らしい。
フロントバンク側のパイプが一本だけ交換できる。
触媒もここには入っていない。
もしこのパイプを探求するだけで、豊かなトルク、
リッターバイクの雄大な走りを引き出すことができたら、 考えただけで嬉しい!

あとこのマシン、SUZUKIも計算ずくでエキゾーストパイプを設計しているんだろうけど・・・・
どう見てもフロントバンクとリアバンクのパイプの長さが思いっきり違うんだ。
ここも気になる。うまく長さを設定したら結構いい性能が引き出せるかも。

SP忠男 開発チーム

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  • SP 忠男 浅草本店
  • 〒111-0033 東京都台東区花川戸2-17-10
  • 平日 10:00~19:00  土日曜/祝日 9:30~18:00
    定休日 毎週水曜日 第三火曜日
  • SP忠男 業販部
  • 〒111-0033 東京都台東区花川戸2-17-10
  • 定休日 毎週日曜日 祝日

スペシャルパーツ忠男(SP 忠男)| オートバイ・バイク・二輪車、オリジナルマフラー公式サイト

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”気持ちイー!”で世界中のライダーを愉快にさせるために。
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