忠さんの開発裏話!:TOP
● TMAX 編・其の弐
★ 骨が折れそうな予感… ★

 ウィークポイントのほとんど認められないTMAXの場合には、基本的なチューニングから始める。特にスクーターの場合、駆動系に自動遠心クラッチとプーリーが使用されているだけに、
一般的なマフラーの方程式はまったくあてはまらない。一般的なマフラーって言うのは、そう、よく言う中高速型のマフラーってやつだ。ただ残念なことに、うちのマフラーを除くほとんどのメーカーは、これを売っている。クラッチ付の車両なら、こういうマフラーでも少し高い回転でクラッチをつないだり、低めのギアーを選択したりしてフォローが出来るが、スクーターはこれが出来ない。当然、極底回転で自動遠心クラッチがつながってからパワーが盛り上がってくる速度域までに時間が掛かる。要は、ノーマルよりもパワーのない回転域を長い時間多く使わなくてはならない分、ディチューンになってしまうってことだ。これで悩んでプーリーを変えたり苦労をしているライダー、けっこう多いよな。

 そこで本題。スクーターのための基本チューンて言うのは、
徹底的にスタートからのトルクを引き出す、あとはノーマルのプーリにお任せする、ってことだ。もちろん、ピークパワーも落としてはダメ。この条件で一発たたき台のマフラーを作らせてみたんだ。その結果…、
 あ〜あ…、またこれかよ…、竹やりだよ。車体後方からゆうに1メートルははみ出してるよっ。こんなの乗ってて捕まらないのかねぇ?
 …さあテストだ!ウン?まったく変化が解らない。かなりスタートからのパワーラインは上がっているはずなのに、まったくだ…。これだからエンジンに負荷のかかりにくいローギアードな設定のマシーンで変化を出すのは難しいんだ。
もともと軽々加速しているだけに、相当インパクトを与えないと変化になって現れないってことだ。

 TwoTailの時にも、バイパスを使ったり長さを確保したり大変だったけど、今度はさらに骨が折れそうな予感がするぞ…。

其の参へ・・・

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