20019~ YZF-R25編 序章
- 投稿日時:2019年03月25日
- カテゴリー:YZF-R25 19~
★『図太いトルクラインで雄大な旅をプレゼントしよう!』をコンセプトに★
なんとか、音量と性能のバランスの取り方が見えてきた。
これなら特性を色々いじっても大丈夫そうだ。
やっぱり、トレーサーはヨーロッパのライダーにめっちゃくちゃ人気のマシンだけあって、
アドベンチャーツアラーなのに軽快なフットワークで、速いし楽しい。
そして割と刺激が強い。
特に3000rpm過ぎたあたりに少しパワーラインの溜めを作り、
一気に加速させる手法は
ヨーロピアンライダーを興奮させる常套手段なのかもしれないな。
でも案外この回転域、日本の道路をあまり飛ばさないで
走らせようと思った時にはもっとも良く使う回転域なので、
少し気になっていたんだ。
特に長旅に出た時にこの特性は、まあほんのわずかだけど
ライダーを疲れさせる要因になっているような気がしているんだ。
神経を抜けないっていうか、弱っている時には
ほんの少しだけナーバスにさせると言うか・・・。
ちょっと今回は、SPTADAO風に目先を変えて”トレーサーのオーナーに
『図太いトルクラインで雄大な旅をプレゼントしよう!』をコンセプトに
特性を作っってみようと思うんだ。
もちろんウイリーだって軽くできちゃうトレーサーならではの元気印を残しながら
BMWのGSに負けないくらい、優雅に雄大な旅を楽しめるようにね。
★排気量を疑いたくなるようなたくましさだ★
あれからすでに1週間が経過しようとしている。
パイプに対するサイレンサーのマッチングに若干苦労しているようだ。
サイレンサー単体での性能を維持しながら、パイプとの相性を引き出す。
そもそもほぼ同じコンセプトで開発を行ってきた
パイプとサイレンサーなので、
ほとんどのところでは相乗効果が出ていて、いい傾向にあるけれど、
逆にいままであまり感じられなかったネガな部分も強調されてしまった。
これをマフラー側でバランスをとって打ち消していく行為を根気よく続けている。
そして完成の報告が入った。
なるほどね。そうだよな。レブル250にはこの骨太のパワー感もいいね!
パイプ+サイレンサーを組んだ瞬間、一瞬にしてレブルの表情が変わる。
マッチョだ。今まであった線の細さが嘘のように変わる。
排気量を疑いたくなるようなたくましさだ。これはいい。
一つ一つのギアで使える回転の範囲がさらに広くなった。
とても扱いやすい。
これは本当に嬉しい組み合わせだと思う。
今月末くらいから行われる快感、体感、試乗会ライドオンキャンペーンで
体験できるように用意をしておくよ。
興味があったら是非
キャンペーンの日程はこちらから。
忠
★1速から2速くらい高いギアを普通に選択出来るようになったんだ★
来たねぇ〜!
サイレンサーインナーのメインパイプ径を変更し、
サイレンサー前部にある円錐形の膨張室の容量と
そこに排出するタイミングを変えながら何度も分解しては組み立てて、
組み立てては走って、走っては修正し、
気の遠くなるような作業の連チャンだった。
最後にどおしてもパワーラインが
上手く繋がらないところを感じていたので全長を少し長くしたりもして・・・
おかげで今ではパワーラインが綺麗につながって爽快な走りに変わった。
本当に気持ちイー!
よくレブル250でサイレンサーを交換すると
大切な5速 30km/h~50Km/h付近が台無しになるパターンが多いけど
こいつは違う。この速度域のトルクをフラットに気持ちよく引き出すことが出来たので
通常走行では1速から2速くらい高いギアを普通に選択出来るようになったんだ。
走りの質感がすごく高まって300ccクラスのマシンを走らせているようですごくいい気分だ。
これでレブル250のPOWERBOXパイプの基本的な性能は完成だ。
あとPOWERBOXサイレンサーとの性能のすり合わせをおこなって開発終了。
もう少しだ。
忠
★3000~5000rpmのトルク特性が重要になるという事だ★
基本的にマフラーに続くパイプ単体を交換しただけで
しっかりと気持ちイー! が体験でき、
POWERBOXサイレンサーとのマッチングで
更なる気持ちイー! を引き出せなくてはならない。
特に今回改めてテストをして感じた事は
CB250Rを日本国内で走らせた時に
やはり3000~5000rpmのトルク特性が重要になるという事だ。
ここにある程度フラットに豊かなトルクを引き出すことができれば、
POWERBOXと同じように高い評価をいただけるだろうなって思っているんだ。
さあ先ずは基本となるパイプの太さと長さを導き出すことからスタートだ。
忠
★内蔵型の試作では構造上このパイプが使えない★
完璧な性能を引き出している試作のマフラーパイプでは
排気ガスを膨張室に解放する際にパイプを介しているが
内蔵型の試作では構造上このパイプが使えない。
ここが問題点だ。
ここをクリアーするために排出ガスの解放部の径が重要になってくる。
この径についても現在の開発担当メンバー的確に指示を出していた。
結果、また一歩あの性能に近づいた。
かなりいい線まで来ている。
忠
★ライダーの感覚は多分シャーシダイナモの数十倍鋭い★
2018用の製品に今回性能を引き出すことに成功した試作マフラーパイプの変更点、
パイプの太さ、長さ、膨張室の容量、排気ガスを
膨張室に放出するタイミング全てを正確に盛り込み修正を加えた。
常識的に考えたら、これで試作のマフラーパイプで完成された
あの感動的な性能が再現できると思うでしょ。
確かにシャーシダイナモ(出力特性測定器)を使って測定すると
ほぼ寸分違わず同じラインを示してくれる、
しかし、ライダーの感覚は多分シャーシダイナモの数十倍鋭い。
クラッチを繋いで走り出した瞬間にその違いに気づいてしまうんだ・・・・
今回膨張室をパイプの中に内蔵させた新たな試作は、
若干高回転型になっていて、
あのライダーとマシンを一体にして軽快に、心地よく押し出していく感覚が消えている、
特に今以上の高回転へのトルク移行は望んでいない、
あの快感、あの特性を正確に再現したいだけなんだ。
こうなってくると、うちの開発スタッフは凄い能力を発揮してくれる。
走って、正確に感じ取りる力が俺の数段上をいっている。
そしてそれを具体的に数字に置き換え
修正箇所のサイズ変更をかなり細かい数字で的確に指示していくんだ。
今回の修正は排出ガスを解放するタイミング変更、
まだあの豊かなトルク、真の力強さは戻ってきていないが
フィーリングは確実に近づいてきている。
忠
スペシャルパーツ忠男(SP 忠男)| オートバイ・バイク・二輪車、オリジナルマフラー公式サイト
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