SV650ABS 22 PIPE | 忠さんのマフラー開発奮闘記

2022~SV650ABS編 其の拾伍

★こんなに「気持ちイー!」マッチングは、なかなかないね★

POWERBOXパイプが完成したら、
当然POWERBOXのマフラーとのマッチングが気になるよね!
試してみました。
まずいなこれ!
3000rpmから更に気持ちイー!トルクが、
そして6000rpmを超えたあたりからやばい、はやい。

これは全く別物だね。
しかもよくありがちなネガな特性が全く感じられない。
ベストなマッチング。
こんなに「気持ちイー!」マッチングは、なかなかないね。

なにしろ、すっごくパワフル。
すっごく速い。しかもものすごっく『気持ちイー!』
POWERBOXパイプは、絶対おすすめだけど
POWERBOXのマフラーのセットすごいよ。
このセットもライドオンキャンペーンで体感できるように準備するから、
一回騙されたと思って乗ってみてほしいな。

SP忠男開発チーム

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SP忠男開発チーム

~2021 V650ABS POWERBOXパイプ編はこちらから
 

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2022~SV650ABS編 其の拾四

★長さを測定する際に差異が生じていたようだ。★

あれからドンツキの原因がわからず何日も費やしてしまった・・・・・。
そしてやっとわかった。
この現象の原因は、パイプの全長、
複雑な曲げを組み合わせて仕上げたパイプ、
長さを測定する際に差異が生じていたようだ。
その長さは、量産試作の方が開発の最終試作より6mm長かった。
たった6mm、まさかと思って量産試作をカットして全長を6mm縮めてみた。
あの完璧に『気持ちイー!』特性が戻ってきた。
よかった、 これで完成だ。

また、うちのスタッフが試乗車を用意して
日本中各地を回ってイベント行うから
SV650ABS乗りのあなたには絶対に試してほしいな。
きっと『気持ちイー!』毎日が待ってると思うよ。

SP忠男開発チーム

 

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2022~SV650ABS編 其の拾参

★量産試作に置き換えたら、この性能が再現できない★

すごいね。2000rpmから発生する綺麗に整えられたトルクライン。
まずはここで、ラインダーが『ホッ』とする信頼関係を築き、
そして、3000rpm〜6000rpmへと緩い右肩上がりで上昇するトルクラインが、
ストンストンと、見事なギアチェンジのフィーリングを引き出してくれた。
本当にこれだけで、このSV650ABSの質感が格段にアップする。
そして更に3000rpm〜6000rpmのトルクを引き上げたことで、
トゥルルルって角のとれた心地良いパルスと共に
650とは思えない逞しい走りを引き出してくれた。
その走りは、レッドゾーンへ向けてパワフルに伸びていく。
すごく『気持ちイー!』
なんだかアイドリングの音すら上質だ。 
これはいい、最高の出来だ。

しかし、ここまできて問題発生。
つぎはぎだらけで作って、試作のパイプを
いざ量産試作に置き換えたら、この性能が再現できない・・・・。
どういうことだ? 
この量産試作を装着して走り出した瞬間、全くひどい。
ガツンガツン、ギヤチェンジの時のドンツキ感が、
中速域の回転の上昇もなんだか気持ち悪い。
なにが起きているんだろう???

SP忠男開発チーム

 

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2022~SV650ABS編 其の拾弐

★4000rpmから8000rpmにかけて確実にパワーを引き出してくれた。★

驚いたね、2サイクルのチャンバーからヒントを得て、
パイプに仕込んだ部材がすごい働きをしてくれた。
全域にわたって、パワーアップ。
特に4000rpmから8000rpmにかけて確実にパワーを引き出してくれた。

ここから先は、この部材の取り付け位置や形状をいろいろ変えてベストを探求してみる。
いやぁ〜、本当にこのSV650ABSは開発チームを飽きさせない、面白いマシンだぜ。

SP忠男開発チーム

 

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2022~SV650ABS編 其の拾壱

★丸秘の部材を埋め込むことが提案された。★

あれから基本的な特性を決めようと5mm単位で、
切っては溶接で、繋いで切っては繋いでの繰り返しをして
パイプの長さを調整し、次に太さも変えて色々トライをしてみたけど、
想像していたような特性には微塵も近づかない。
クラッチミート直後の特性は未だ健在だけどこれだけでは・・・・。

すると開発チームのチーフから思わぬ提案が、
エキパイの仕事は基本、排気脈動をコントロールして
任意の回転域にシリンダー内の混合ガス充填率を高めること・・・・ 
排気関係で究極の脈動コントロールと言ったら2サイクルのチャンバーでしょう。
ということで、昔2サイクルのチャンバー(マフラー)開発を担当していたチーフの発想で
パイプの中に排気脈動をコントロールする。
丸秘の部材を埋め込むことが提案された。
しかしこの部材の形状や取り付け位置など前例がない。
本当に性能が引き出せるかどうかもわからない。
でも面白いからやってみますか。

SPTADAO開発チーム
 

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2022~SV650ABS編 其の拾

★ほんのわずかな長さの差でも特性が大きく変化してくれる★

前回はパイプの長さを10mm伸ばして、えらいことになってしまった。
長く伸ばして理想と逆の特性になってしまったのだから、
今度は逆に10mm短くしてみよう。

あ〜やっぱりそんなに簡単には行かないんだな、
全体的に腑抜けになって、トルク感が激減。ひどいね。
ほんのわずかな長さの差でも特性が大きく変化してくれる。
これは開発者にとって、とてもやりやすいのだけど 
あんまりいい方向に変化をしてくれない。

しまいに6000rpmから上のパワーが極端に落ち込んできていた。
う〜ん、面白いじゃないか。さあ次は何をする?

SPTADAO開発チーム
 

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2022~SV650ABS編 其の玖

★こんなに顕著に走りの質感が悪くなるなんて★

ギアチェンジをするたびに ガッツンガッツン、
どんつきが顔を出し始めた・・・。

これはひどい。 これはいかん。
たった、10mm伸ばしただけのはずなのに、
こんなに顕著に走りの質感が悪くなるなんて、
こんなに反応が、顕著にでるなんて珍しい? 
本当に10mm伸ばしただけなの? 

SPTADAO開発チーム
 

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2022~SV650ABS編 其の八

★900ccのような雄大で、もう少し質感の高い走りを引き出す★

うん、まずはうまくいった。
2000rpm付近のトルクラインの凸凹が綺麗に整った。
その瞬間、走り出してすぐにライダーが、『ホッ』とする
POWERBOXパイプ独特のフィーリングが顔を出してきた。
このSV650ABSとライダーの信頼関係が深まった状態で、
沢山の時間を一緒にいると、だんだん贅沢な欲望が頭をよぎってきた。

そう、それはリッタークラスとまで行かないまでも、
900ccのような雄大で、もう少し質感の高い走りを引き出す。
そんなトルクラインに仕上げてみたいな。
それには、次に2000~5000rpmの間、
例えば3000rpmくらいで、ギアチェンジをした時に、
少しトルクの波にのまれて回転がわずかに落ちる感じ。
そんなことを感じているんだけど、
この回転域に少しトルクを盛り上げてトルクラインを整えてあげると、
多分このマシンはストントントンって、軽快にシフトアップが出来るようになって、
2000~5000rpmを若しくは~6000rpmを使った走りに『気持ちイー!』 を
引き出せるんじゃないかなって そんなことを感じているんだ。

実際に出来るかどうかわからないけど、もしそれができたら、
このマシン劇的に走りの質感が上がると思うんだよね。
まずは、低い回転域のトルクを引き上げるためにパイプを長く設定してみようかな。

SPTADAO開発チーム
 

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2022~SV650ABS編 其の七

★独自のトルクラインを盛り込むことで、驚異的に高まるんだ★

まずは、過去のデータを元にトルク特性に
変化を起こせそうな長さを算出し、当てはめてみた。
この計算で、導き出したパイプの長さがなんと、バッチリ!

一番気になっていた2000rpm手前に発生していた
トルクラインの凸凹にしっかりと反応している。
少し長さの差引をしながら、この域のトルクラインを綺麗に整えてみようかな。
ここが成功すると、もうこのパイプの80%は完成したようなものなんだ。
ライダーとSV650ABSの信頼関係は、
この回転域に長い間うちの開発チームに受け継がれてきている
独自のトルクラインを盛り込むことで、驚異的に高まるんだ。
この回転域に信頼関係が築けないと、
いくらトルクを上げようがパワーを伸ばそうが、全く気持ち良くならない。
ここが、SP忠男の製品の肝だね。
さあ、どこまで上質な乗り心地にできるかワクワクが止まらない!
 
SP忠男 開発チーム

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2022~SV650ABS編 其の六

★この回転域のトルクラインを綺麗に整えてあげたいんだ★

そうそう、POWERBOXサイレンサーの性能チェックをする際に
ノーマル状態の車両で、1点どうしても気になっていたところがあるんだ。
それはクラッチを繋いでマシンをスタートさせるその瞬間、
多分2000rpm手前ぐらいかな・・・・。

トルクラインが、あまり整っていないようで、
スムースな出だしがやりにくいんだ。
すぐに慣れてしまうから、SV650ABSのオーナーは、
さして気にならないと思うけど、
実はこの辺りの特性を綺麗に整えると走りの質感を俄然アップするんだ。
そう、全く別物の高級マシン激変する。
そんなマシンは今までたくさん経験してきている。
まずはSV650ABSのこの回転域のトルクラインを綺麗に整えてあげたいんだ。

もし綺麗にトルクラインを整えて、しかもエンジンが右手の動きに
うまく追従できる絶妙なタイミングを生み出すことが出来たら、
一気にマシンがライダーと一体化してくれる。
まるで、自分の体の一部になったような一体感、
そしてそこからの豊かでフラットなトルクライン、
さらに高回転へと繋がる爽快な伸び、
なんとなくイメージは湧いている。 
さあ、このSV650ABSのフロントのエキゾーストパイプ一本で、
どこまで理想に近づけることが出来るのか、考えただけでワクワクしてくるね。

まずは、リアバンクのエキパイとスタンダードのフロントバンク用の
エキパイの中間くらいまで長さを伸ばして特性変化を探ってみようか。

SP忠男 開発チーム

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