忠さんが陣頭指揮をとってマフラーを開発していく実際のストーリー|マフラー開発奮闘記

2018~SR400編 其の拾七

  • 投稿日時:2018年12月30日
  • カテゴリー:SR400 18~

★回転域のパワーラインに角度がつき過ぎたようだ。★

う〜ん、かなり近い性能まで来ていると思う。
でも、何かが違う。
ピックアップの鈍さと中速域の谷、この二つがとても不快だ。
しかし、この感覚は以前にも感じたことがある、CB1100だったか、DAEGだったか? 
あの時はBOX(膨張室)の容量が性能に悪さをしていた。

今回もそれかもしれないので膨張室の容量を探求してみた。
これでかなり改善したが・・・
今度は3000rpmから4000pmの間一番重要な
回転域のパワーラインに角度がつき過ぎたようだ。
この回転域で走ると勝手にグングン加速をしていく感じなんだ。
やけにせかされる感じの速い現代風のSRになってしまった。
これはこれでアリかもしれないが、俺たちが求めているものはこれではない。

更に一歩完成に近づいたような気がするが、まだ何かが違う。何かが。
もしかしたら、複雑な構造なだけに膨張室(BOX)から
微妙に排ガスが漏れているのかもしれない。
これがフラットで強靭で心地の良いトルクラインを殺しているのかもしれない。
そんな風に感じているんだ・・・・。
しかし、これ以上この構造で膨張室の気密性を高めるためには、
手間がかかり製品化が困難なくらいコストが上がってしまう。
しかし、結果は出さないと。

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2018〜CB250R編 其の七

  • 投稿日時:2018年12月27日
  • カテゴリー:CB250R 18

★この回転域に少し違和感を感じて気持ちが冷めてしまう★

なんとか、3000rpmからトルク特性が反応してくる
バイパスパイプの取り出し位置を見つけることが出来た。
しかし、残念ながらこのトルク4000rpmまでで、5000rpmには届かない。

バイパスの取り出し位置、パイプの太さ、BOXの容量
全てのパターンを何度も何度も試してみたが今がベストだ。
走っていてもやはり、この回転域に少し違和感を感じて気持ちが冷めてしまう。
全て、いじれるところはいじった。
う〜ん、どうする。

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2018~SR400編 其の拾六

  • 投稿日時:2018年12月27日
  • カテゴリー:SR400 18~

★全てが純正を大きく下回った★

理屈はそうなんだけど実際は全然だ。
全てが純正を大きく下回った。
あの魔法のように素晴らしい試作の性能とは程遠い、
本当にこの構造であの性能が引き出せるのだろうか?

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2018~SR400編 其の拾伍

  • 投稿日時:2018年12月26日
  • カテゴリー:SR400 18~

★この性能を再現できないかトライをしているんだ★

さあ、性能は完璧だ。あとはルックス。
なんとか、一番最初に作った二重管のパイプを使って
この性能を再現できないかトライをしているんだ。

まず性能が出ている試作パイプの長さにアウターパイプの長さを揃えカット。
次に性能の出ている極細のインナーパイプをその中に仕込む。
そしてその中に膨張室 (BOX)を仕込むんだ。
ものすごく手間のかかる構造だけど、今思いつくことは、それしかない。

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2018〜CB250R編 其の六

  • 投稿日時:2018年12月24日
  • カテゴリー:CB250R 18

★スタンダート同じなので走りに感動はない★

スタートからピークにかけてかなり
上乗せされたパワーを引き出すことが出来てきた。
しかし、パワーラインが
ほとんどスタンダート同じなので走りに感動はない。
3000rpmから5000rpmのトルクも
少し上乗せされているもののあまり恩恵を感じられ無い。
次はそろそろ排気の脈動を細かくコントロールするために
膨張室(BOX)へのバイパスパイプの取り付け位置や太さを探っていこう。

 
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2018〜CB250R編 其の伍

  • 投稿日時:2018年12月24日
  • カテゴリー:CB250R 18

★3000rpmから5000rpmまでのトルクアップ★

サウンドはまだ完全とは言えないまでも
かなり低く抑えられるうようになってきた。
これならなんとかなりそうだ。
ここまできたらそろそろ次は、出力特性に取りかかろう!
目標は3000rpmから5000rpmまでのトルクアップ。
まずはセオリー通りパイプの太さと長さを変えながら
基本的な特性を探っていこう。

 
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2018〜CB250R編 其の四

  • 投稿日時:2018年12月24日
  • カテゴリー:CB250R 18

★ルックスが崩れない程度にサイズアップを!★

音の問題を解決するために
まずは手っ取り早くルックスが崩れない程度にサイズアップを!

 
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2018〜CB250R編 其の参

  • 投稿日時:2018年12月24日
  • カテゴリー:CB250R 18

★音量で苦戦するかもしれないな★

まずはたたき台を作ってみた。
フィーリングはわりと悪くなない。
というかほとんどスタンダードと変わらない。
音はめちゃくちゃうるさい。
これはもしかしたら性能を上げていく際に
音量で苦戦するかもしれないな。

 
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2018~SR400編 其の拾四

  • 投稿日時:2018年12月24日
  • カテゴリー:SR400 18~

★このままのルックスのパイプを自分のバイクにつけるだろうか?★

パイプの長さBOXの容量や位置を再度調整し
2000rpmからのトルクを引き出した。
もうこの域になるとシャーシダイナモ(出力特性測定機)は機能しない。
ライダーの感覚に委ねるしかないんだ。
走っては修正、走っては修正、一番気持ちイー特性を探る。
すごいね、うちの開発スタッフは、執念だね。

クラッチを繋いでから、低い回転でどんどんシフトアップしていく、
走り出してすぐにトップギアに入れたら、
後は重たいフライホールに合わせ
絶妙なバランスに調整されたトルクでグングン走っていく。
そして4000rpmを超えていくと怒涛のトルクで車体をどこまでも引っ張っていく。
まるで、雪玉が雪原を転げ落ちていくように
どんどんトルクを増しながら転がっていく。
気持ちイー! その時の振動もドゥッドゥッドゥッからトゥルットゥルットゥルッと
完全に角の取れたもに変わった。
これがクランクシャフトとトルクのバランスの取れた時の証なんだ。

SR400ってある意味クランクシャフトのウェイトありきで、
全ての走りが設定されているような気がするな。
これでイメージ通り、雄大な走りを満喫しながら走ることが出来るようになった。
淡々と淡々とどこまでもどこまでも豊かなトルクに
身を包まれながら走っていく心地よさ。
全てのストレスがすぅーと消えていく。
すごく爽快な気分だ。

がしかし・・・・・
どうだろう、もし俺がこのSR400のオーナーだったら
このままのルックスのパイプを自分のバイクにつけるだろうか?
つけないだろうなぁ。

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2018~SR400編 其の拾参

  • 投稿日時:2018年12月24日
  • カテゴリー:SR400 18~

★もう少し低い回転域からトルクを発生させないと★

今度はメインパイプの太さと長さの組み合わせを大胆に変更するように指示をした。
俺の感では太い方のパイプを30mmほど伸ばしその分細い方のパイプを縮める、
こうすることでトルクの山を少し高回転にずらし
3500rpmから5000rpm付近まで伸びてくれれば、
その回転はピークへ向けて綺麗につながっていくと思う。
今は低い回転域で無理やり重たいクランクシャフト、
そう弾み車を回しているけど息が続かない感じなんだ。

さあどうだ・・・・・。
やっぱりな! 思った通りだ。 かなりいい感じになってきた。
不思議なもので3500rpm~5000rpmの間に感じていた
ザッザッザッっといった振動がドゥッドゥッドゥッて感じに変化してきた。
なんだかいい傾向だ。
あと10mm太いパイプを伸ばしてくれないか!
・・・・・・。

いいぞ、全ての回転域がつながった。
スタートから重たいフライホイールを豊かなトルクでグングン回していく、
振動も角の取れた心地よいものに変化した。

だけど、実際、交通の流れの中でこのパイプを走らせてみると何かもの足りない。
なんだろう?
さすがにトップギアのまま、車の後ろについて走っているとしてしまう。
シフトダウンをしたくなってしまうんだ。
そうもう少し低い回転域からトルクを発生させないと
本当の意味での優雅な走りにはならないんだ・・・。

必要なのは2500~3500rpmではなく
2000~5000rpmまでの広く発生する綺麗なトルクラインだったことが今改めてわかった。

さあ、どうする。

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