2018~SR400編 其の八
- 投稿日時:2018年12月17日
- カテゴリー:SR400 18~
★所詮無理なのかもしれないなぁ・・・。★
いやあ、まいったどうするか・・・・。
やっぱり、40年熟成されてきたこのマシンだ。
エキゾーストパイプだけいじって
気持ちイー! 性能を出そうなんて
所詮無理なのかもしれないなぁ・・・。
忠
★変化がないどころか若干のパワーは落ち込んでいる・・・。★
出力特性に変化を引き出すために極端にパイプの太さを変えてみた。
過去400ccクラスでは使ったことのない極細パイプを試してみたんだ。
通常こんなパイプを使うと低速域で反応するが
中速から高速にかけて排気が糞づまって回転とパワーが落ちてしまうんだ。
しかし、SRは違った。
重たいフライホイールに低速から勢いをつけたいと思っている
俺たちの気持ちをあざ笑うかのごとく
一番高回転の最高出力付近のパワーラインが上がった!
しかもここ一点だけだ。
なんてこった・・・・。
太いパイプを使うと全体的にパワーが落ち、
細いパイプを使うと今度は振動がひどくて
普段あまり使わないようなピークパワーだけが上がったんだ。
俺たちが求めている2500rpmから3500rpmには
変化がないどころか若干のパワーは落ち込んでいる・・・。
こんな状態でも一応乗ってみた。
中速域までひどい振動だ。回転の上がりもドロドロしており気持ち悪い。
高回転域まで到達するのにとても遅いのとめちゃくちゃ不快だ。
そうか、もしかしたらこのマシンこのパイプでもまだ太すぎるのかもしれない
更に一回り細いパイプを使ってみるか。
さあ、結果はどうなことか?
★雪だるま式に増幅していくパワーと加速!★
まず誰がどう考えたって、今までやってきた
SR400のエキゾーストパイプの太さが太すぎるんだ!
ルックス重視で車体やエンジンとのバランスを考えると
外形は直径45mmくらい(純正もこのサイズ)細くても42.7mmくらいだろうな・・・・
ルックス重視でこのマフラーのエキゾーストパイプサイズを選択したとしても、
元々エンジンがよく出来ているから、そこそこ走るんだよね。
でも確実にノーマルを上回ることは多分不可能なんじゃないかな。
SP忠男はあなたに気持ちイー! って
言ってもらうために仕事をしてるから、やっぱりそれじゃあダメなんだ。
じゃあ、どうやったらSR400乗りのあなたに気持ちイー! って言ってもらえるか・・・
それはスタートからモリモリたくましく湧き上がるトルク
(つよい粘り強さ)これを引き出すことでエンジンのフライホイール(はずみ車)に
勢いをつけ、雪だるま式に増幅していくパワーと加速!これがキーワードだと思っている。
一般的な中速から高速にパワーを引き出すマフラーとは訳が違う。
どちらかというとプーリーで変速させていく
スクーターのマフラーに似た特製の引き出し方が必要となる。
ただ、排気の抜けをよくして、
一見パワーが上がっているように感じさせるマフラーとは正反対だ。
だから、今回一旦はルックスという重りを取り払って
100%気持ちイー!の探求に舵を切ったんだ。
外見は一切気にしない。そんなことを気にする余裕なんていまは微塵もないんだ。
ただただ、気持ちイー! の探求。
そう考えたら何だかこの仕事、ワクワクしてきた、さあがんばるぞ。
★低い回転域にエンジンの粘り=トルクを出してくれ★
試作のエキゾースパイプを作るたびに
どんなにシャーシダイナモ(出力特性測定機)で性能が落ちていても
一回はその試作を試して乗ってみるんだ。
ノーマルのエキゾーストパイプと比較することで
今後の開発の方向性を見出すためにこの行為は絶対に欠かせない。
それと開発のスタッフが手間暇かけて
一所懸命生み出してくれた試作モデルを
ちゃんと乗って評価しないと申し訳ないし、もったいないと思うんだ。
しかしその甲斐あってか、最近ノーマル状態のSR400に乗って
鮮明に感じることがあるんだ。
これはマフラーやエキゾーストパイプの変更で
引き出せるのなのかどうかは全く未知数なんだけど、
俺たちの中にSR400オーナーの貴方に気持ちイー! って
言わせることができるんじゃないかなって言うキーワードを発見したんだ。
それはある時丸一日かけてSR400を一般道で楽しく乗り回していた時のこと、
いつものようにのどかな特性に満足しながらポカポカした気分で走り回っていた。
車の後ろについたり追い越して単独で走ったり、
刈り取りの終わった田んぼの中農道をどこまでもどこまでも淡々と走ったり、
ある時はゆるいワインディングを心地よく流したり・・・・・
でもその時のエンジン回転数は4000rpm前後3速から4速
または4速から5速。あれあれ?
あんまり優雅じゃないなぁ?
なんかビッグシングルのSR400だから
これぐらいな走りはビッグトルクに物言わせて
全て5速ギアをホールドでタッタッタッタって
心地よいパルス感を味わいながら気持ちよく走りたいよな。
ノーマルの走りもけっして悪くないけどこの走りをSR400に
実現できたらもっとSR400は愛されるキャラクターになるような気がするんだ。
ここ1ヶ月ちょっとかけて俺たちが出した答えは
案外このエンジン高回転型なのかもしれないなぁってこと。
しかし、その割にクランクシャフトのフライホイール
(エンジンの中にはエンストしないようにまた回転が滑らからに回るように
フライホイールっていうはずみぐるまが付いているんだ)
が重たくて4000rpm以下だとエンジンの粘りが負けて
それをうまく回しきれていない。
と言うか、バランスがあまりよくないように感じたんだ。
逆に4000rpm付近を超えてくるとこのバランスがうまく取れてくるので
気持ちよく走ることができるそんな感じだ。
まあこれは俺たちだけか感じたことかもしれないけどね。
そこで俺は開発スタッフに伝えたんだ。
出来るだけ低い回転域にエンジンの粘り=トルクを出してくれって、
今まで何をやって変化が出なかったSR400にどうしろって言うんだよって言う
不満げな顔の彼らとは逆に明確な方向性が見えた俺はご機嫌だ。
★トルクが落ちるだけ純正以上にはならない★
~2017モデルから引き継ぎ、
2018~SR400にさらなる気持ちイー! を求めて
開発を開始してから早1ヶ月・・・・・
性能に何も変化無し、というか性能は
落ちることがあっても一切上がることはない。
純正のエキゾーシトパイプは構造が二重になっていて
中のパイプはかなり細い。
これは性能を上げるためと外側のパイプの色が変色しないように
熱を伝えないための二つの意味がある。
うちも製品化にスムーズに移行できるよう純正と同じ二重管構造で
数十パターンの試作を作り開発を続けてきたが
あまりにも性能がよくならないのと
手間がかかりすぎるので一旦これを断念。
開き直ってSR400の純正と同じ外径の太さや
それ以上やそれ以下の太さのパイプをいくつか作り
一重管で性能を試してみたが、
やはりスカスカでトルクが落ちるだけ純正以上にはならない。
膨張室(BOX )をつけて大きさや位置をかえ探ってみたが
これでも性能は全く駄目だこんなんじゃうちの製品にはならない。
開発スタッフのモチベーションもかなり落ちてきた、これはまずい。
しかたない仕切り直しだ。
もう一切外観にはこだわらず
ただ性能だけを追いかけて開発をしていくことにきめた。
ルックスはその後だ。
忠
スペシャルパーツ忠男(SP 忠男)| オートバイ・バイク・二輪車、オリジナルマフラー公式サイト
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