23~CRF250L POWERBOX パイプ(クロート)編 その2 | SP忠男 マフラー開発物語

23~CRF250L POWERBOX パイプ(クロート)編 その2

★目指したのは速さだけではない。★

23~CRF250L POWERBOXパイプの開発は、最初の試乗から驚きの連続だった。
「すごいな、このバイク。」それが最初の感想だ。
前モデルと比べると、全域でトルクが向上し、エンジンの完成度も高い。
ホンダが長年培ってきたオフロードモデルの進化を強く感じた。

ところが、しばらく乗り込んでいくうちに、ある違和感を覚え始める。
日本の道を普通に走っていると、最もよく使う3000〜5000rpm付近が少しだるいのだ。
発進や加速が悪いわけではない。
でもアクセルを開けた瞬間に「もうひと押し欲しい」と感じる場面がある。

なるほど。
最近の海外向けモデルには、この傾向が少なくない。
あえて3000〜5000rpm付近を穏やかな特性にし、
6000rpmを超えたあたりから一気にパワーを立ち上げる。
場合によっては6000rpm付近にトルクの谷を感じさせ、
その先の吹け上がりや加速感をより強く演出する。
きっとこの特性には理由がある。
23~CRF250L(CRF300L)が最も売れている国は、
タイやインドネシアなどのアジア圏だ。
ライダーの年齢層も若い。
おそらく50年ほど前の日本がそうだったように、
多くのライダーがスピードや刺激的な加速感を求めているのだろう。
だからメーカーは、その市場に合わせてエンジン特性を作り込む。

一方、日本のライダーの平均年齢は50代半ば。
若いライダーも含め、のんびり景色を楽しみながら走るツーリング志向が強い。
普段使う回転域も3000〜6000rpm付近が中心だ。
街中では4速や5速に入れたまま、トコトコと気持ち良く走る。
だから日本のライダーにとって本当に大切なのは、
高回転域の刺激よりも、普段使う回転域での心地よさなのだ。
生まれはタイかもしれない。

でも、日本の道を走るなら、日本の道に合った特性がある。
SP忠男開発チームは、この素晴らしいCRF250Lの魅力をさらに引き出し、
日本のライダーが最も多く使う回転域を徹底的に磨き上げることにした。

目指したのは速さだけではない。
アクセルを開けた瞬間の気持ちよさ。
高いギアのまま走れる余裕。
そして、どこまでも走りたくなる“気持ちイー!”走りだ。

SP忠男開発チーム

 
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