2022~SV650ABS編 其の玖
- 投稿日時:2022年10月17日
- カテゴリー:SV650ABS 22 PIPE
★900ccのような雄大で、もう少し質感の高い走りを引き出す★
うん、まずはうまくいった。
2000rpm付近のトルクラインの凸凹が綺麗に整った。
その瞬間、走り出してすぐにライダーが、『ホッ』とする
POWERBOXパイプ独特のフィーリングが顔を出してきた。
このSV650ABSとライダーの信頼関係が深まった状態で、
沢山の時間を一緒にいると、だんだん贅沢な欲望が頭をよぎってきた。
そう、それはリッタークラスとまで行かないまでも、
900ccのような雄大で、もう少し質感の高い走りを引き出す。
そんなトルクラインに仕上げてみたいな。
それには、次に2000~5000rpmの間、
例えば3000rpmくらいで、ギアチェンジをした時に、
少しトルクの波にのまれて回転がわずかに落ちる感じ。
そんなことを感じているんだけど、
この回転域に少しトルクを盛り上げてトルクラインを整えてあげると、
多分このマシンはストントントンって、軽快にシフトアップが出来るようになって、
2000~5000rpmを若しくは~6000rpmを使った走りに『気持ちイー!』 を
引き出せるんじゃないかなって そんなことを感じているんだ。
実際に出来るかどうかわからないけど、もしそれができたら、
このマシン劇的に走りの質感が上がると思うんだよね。
まずは、低い回転域のトルクを引き上げるためにパイプを長く設定してみようかな。
SPTADAO開発チーム
★ライダーとの信頼関係がバッチリ築けている★
最後にサイレンサー内のインナーパイプ、
パンチングパイプ(消音のための穴の空いた網のようなパイプ)
の開口率にまで手を入れてみた。
こんなところにまで開発で、手を入れたのは何十年ぶりだろうか。
でも、その甲斐あって、なんとか理想の性能を引き出したまま、
音量を下げることが出来た。
しかも音質も低音で心地良い。いいぞいいぞ!
スタートからパーフェクトに整えたトルクラインで、
ライダーとの信頼関係がバッチリ築けている。
大切なのは、まさしくこの感覚だ。
2000rpm~6000rpmまでに豊かに引き出した逞しいトルクは、
マシンをさらに軽くさらに心地良い走りへと
その雄大な走りは700ccの域を超えている。
あと、もう少し7000rpm手前のパワーラインの澱みをクリアできたら完成だ。
完成は、もうすぐそこだ。
SP忠男開発チーム
★独自のトルクラインを盛り込むことで、驚異的に高まるんだ★
まずは、過去のデータを元にトルク特性に
変化を起こせそうな長さを算出し、当てはめてみた。
この計算で、導き出したパイプの長さがなんと、バッチリ!
一番気になっていた2000rpm手前に発生していた
トルクラインの凸凹にしっかりと反応している。
少し長さの差引をしながら、この域のトルクラインを綺麗に整えてみようかな。
ここが成功すると、もうこのパイプの80%は完成したようなものなんだ。
ライダーとSV650ABSの信頼関係は、
この回転域に長い間うちの開発チームに受け継がれてきている
独自のトルクラインを盛り込むことで、驚異的に高まるんだ。
この回転域に信頼関係が築けないと、
いくらトルクを上げようがパワーを伸ばそうが、全く気持ち良くならない。
ここが、SP忠男の製品の肝だね。
さあ、どこまで上質な乗り心地にできるかワクワクが止まらない!
SP忠男 開発チーム
★この回転域のトルクラインを綺麗に整えてあげたいんだ★
そうそう、POWERBOXサイレンサーの性能チェックをする際に
ノーマル状態の車両で、1点どうしても気になっていたところがあるんだ。
それはクラッチを繋いでマシンをスタートさせるその瞬間、
多分2000rpm手前ぐらいかな・・・・。
トルクラインが、あまり整っていないようで、
スムースな出だしがやりにくいんだ。
すぐに慣れてしまうから、SV650ABSのオーナーは、
さして気にならないと思うけど、
実はこの辺りの特性を綺麗に整えると走りの質感を俄然アップするんだ。
そう、全く別物の高級マシン激変する。
そんなマシンは今までたくさん経験してきている。
まずはSV650ABSのこの回転域のトルクラインを綺麗に整えてあげたいんだ。
もし綺麗にトルクラインを整えて、しかもエンジンが右手の動きに
うまく追従できる絶妙なタイミングを生み出すことが出来たら、
一気にマシンがライダーと一体化してくれる。
まるで、自分の体の一部になったような一体感、
そしてそこからの豊かでフラットなトルクライン、
さらに高回転へと繋がる爽快な伸び、
なんとなくイメージは湧いている。
さあ、このSV650ABSのフロントのエキゾーストパイプ一本で、
どこまで理想に近づけることが出来るのか、考えただけでワクワクしてくるね。
まずは、リアバンクのエキパイとスタンダードのフロントバンク用の
エキパイの中間くらいまで長さを伸ばして特性変化を探ってみようか。
SP忠男 開発チーム
★POWERBOXパイプの開発に入ります★
みなさぁ〜ん、お待たせいたしました!
2022~SV650ABSのPOWERBOX パイプの開発スタートいたしま〜す。
SPTADAOの社長は鈴木忠男。
そして、SV650ABSも鈴木(SUZUKI)のマシンだから相性もバッチリ、
という事で調子に乗って、POWERBOXパイプの開発に入ります。
このマシンはきっと、SPTADAO開発チームにパイプを作らせたかったんだろうなぁ〜って、
勘違いさせるような素晴らしい構造のエキゾーストパイプを持っている。
そう、フロントバンク側のエキゾーストパイプが、
一本だけジョイントからちゃんと外れるようになっているんだ。
大体、他メーカーはエキパイが全部一体だったり、
エキパイの中に大きな排出ガス発散防止装置(触媒)がガッチリ入っていたりで、
オリジナルのエキゾーストパイプを作ろうとすると
丸々作らなくてはいけなくて、すっごいコストになってしまって大変なんだ。
その点SV650ABSは素晴らしい。
フロントバンク側のパイプが一本だけ交換できる。
触媒もここには入っていない。
もしこのパイプを探求するだけで、豊かなトルク、
リッターバイクの雄大な走りを引き出すことができたら、 考えただけで嬉しい!
あとこのマシン、SUZUKIも計算ずくでエキゾーストパイプを設計しているんだろうけど・・・・
どう見てもフロントバンクとリアバンクのパイプの長さが思いっきり違うんだ。
ここも気になる。うまく長さを設定したら結構いい性能が引き出せるかも。
SP忠男 開発チーム
★Z650RSのレトロなルックスには別の手が有るんじゃないか? ★
先行して開発中のMT-07が開発の佳境に入った。
このMT-07からは多くを学んだ。
そこで、とりあえずスラッシュカットはやめよう。
結構気に入ったデザインだけど、
ビッグツインのZ650RSのマフラーを開発するにあたって、
容積を確保するためにはかなり分が悪い。
ビッグツインの消音対策はmm単位のせめぎ合いだ。
スラッシュカットにするとその分、
メインパイプのサイレンサー容量が極端に少なくなる。
MT-07はスラッシュカットがルックス的にベストと判断したけど、
Z650RSのレトロなルックスには別の手が有るんじゃないか?
Z650RSオーナーからのリクエストもちらほら来ている。
するなら今しかない。さあ、どんなルックスに修正する?
SP忠男開発チーム
★音量だけ落とすのは、多分不可能に近いくらい難しい。★
もうこのMT07は開発をスタートしてから既に10ヶ月を超えている。
今考えると、こんなに長くかかって結果が出せていないのは
KawasakiのZX-12R依頼かもしれない。少しあせる・・・
膨張室に向かうジョイントパイプの太さを変えて、
ボックス内で消音効率をあげる、少し下がった。
メインパイプからの取り出し位置を変えてさらに効果を高める。
これで加速時の音量が0.2dBくらい小さくなったかな、
この0.2dB落とすのに10日以上かかった。順調だ。
加速であと1.5dBのところまで来ている。
音だけなら一瞬で落とせる、
700ccのビッグツインをこのショートでコンパクトなパッケージに収め、
POWERBOXならではの『気持ちイー!』性能を維持したまま
音量だけ落とすのは、多分不可能に近いくらい難しい。
とはいえ、 MT-07オーナーから応援のメッセージが日増しに増えてくる。
音を上げるわけにはいかないな。
全てのパーツを見直してバランスよく少しづつ音量を下げていく。
開発スタッフの根気には頭が下がる。
昨日もそして、今日も朝から頑張ります。
SP忠男開発チーム
スペシャルパーツ忠男(SP 忠男)| オートバイ・バイク・二輪車、オリジナルマフラー公式サイト
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”気持ちイー!”で世界中のライダーを愉快にさせるために。
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