忠さんが陣頭指揮をとってマフラーを開発していく実際のストーリー|マフラー開発奮闘記

TMAX530編 其の四

  • 投稿日時:2018年05月15日
  • カテゴリー:TMAX530

★ナチュラルなアクセルフィーリングと圧倒的な加速力を引きだすことに★

T-MAXは初期型から徹底的にいじり倒してきた車両だ、
どこをどういじると特性がどう変化していくかは
ほぼ完璧に把握している。
今回、絶好調に高回転で伸びて行くマフラーも作ってみたが、
もともとそんなに伸びるタイプのエンジンじゃないので、
どうも違和感を感じてしまう。
それに、高回転型に振ったチューニングを行なって
エンジンを壊している仲間が結構多いんだ。

そこで、高回転域の伸びはそこそこに抑えて、
その分ストレスを感じさせないナチュラルなアクセルフィーリングと
圧倒的な加速力を引きだすことに集中した。

これが当った!
スタートダッシュは絶好調!
コーナーリングもグイグイいくし極上のフットワークだ!
気持ちイー!
おもしろい!
かぁ〜るい!

若干50Km/hにパワーの谷が出てきたが
これはうちの天才スタッフがパイプの長さを調整して
すぐにフラットに仕上げてくれた。
あと,前のタイプではループさせたエキゾーストパイプが
干渉してフランジのナットを組み付けるのがとても大変だった。
今回は技術の進歩でこれも無くなった。 
極めて普通に組み込むことができるようになった。

さあ、あとは細部のデザインを整えて終了だ。
530オーナーの笑顔がたのしみだ。

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TMAX530編 其の参

  • 投稿日時:2018年05月15日
  • カテゴリー:TMAX530

★ループエキゾーストパイプ★

重量バランスにこだわりフットワークを良くし
しかも、カッコイ~ショートなスタイルに仕上げるにはこの部品が必要だ、
ループエキゾーストパイプ。

みごとな加速性能を引き出すために
何十種類もの長さを用意してベストを探っていくんだ。

この作業も大変だけど
完璧な性能に近付いていく行程が楽しい!

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TMAX530編 其の弐

  • 投稿日時:2018年05月15日
  • カテゴリー:TMAX530

★重量を車体中央に寄せることで軽さを出すことは可能だ。★

ユーザーからの声を参考に色々なシチュエーションで
このT-MAX530を乗ってみた。
やはり、このマシンの醍醐味は加速感だ。
シンプルなデザイン
おおらかな加速感。
走り出した瞬間からわくわくさせる軽快感。
これが俺たちに求められるマフラーの強化項目だ!

一方、このT-MAX530の取回しはずっしりと重い。
この重いイメージが普段の乗出しを億劫にさせている。
軽量化には限度があるが、マフラーをショートに仕上げ
重量を車体中央に寄せることで取り回しの軽さを出すことは可能だ。

今回は徹底的にここに集中して、
“気持ちイー!” 走りの楽しいマフラーをつくり上げるぜ。

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TMAX530編 其の壱

  • 投稿日時:2018年05月15日
  • カテゴリー:TMAX530

★どんなにパワーを上げても大丈夫★

やっぱり、T-MAXは特別な乗り物だ。
絶対にスクーターの枠には収まらない純然たるスポーツバイクだ!
乗って楽しい!
走らせて気持ちイー!
そして見てかっこいー!
これだけ、がっちりとしたフレームならどんなにパワーを上げても大丈夫だ!

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TMAX530編 序章

  • 投稿日時:2018年05月15日
  • カテゴリー:TMAX530

★どんなマフラーを作ろうか★

ず~と、悩んでいたんだ。
このT-MAX530はもともと海外仕様のフルパワー。
音量だって、きっとイッパイイッパイだ。
開発を行い理想の性能を引っぱり出すことが本当に可能なのであろうか・・・。
でも、マフラーを作って欲しいって言う
T-MAXユーザーからの熱いラブコールが毎日ひっきりなしなんだ
さぁ~て、どんなマフラーを作ろうか。

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TMAX 04 PURESPORT編 其の六

★ 出たね!★

 いや〜大変だったみたいだよ。
なんか、もう、一から始める勢いでいじったんだけど、
結局逆車で開発した前回までのマフラーの出来が良くて、
何をやってもそれを超えられないんだそうだ。
そこで、その一番良かったマフラーにバイパスパイプで勝負をしたんだ。
位置、太さ、長さ、バイパスする本数、などなど徹底的に探ったそうだ。すると・・・。

出たね!国内仕様で逆車の時と遜色のない走りが!
加速の鈍りなし、最高速へ向けてギョィ〜ンて伸びる加速あり。
あとはストレート構造ではどうしようもないアフターファイアーを極力抑える努力と、
バンク角を確保しながらいかしたスタイリングに仕上げる作業を終えて、販売だ!

うまくすれば最終試作モデルを10月12,13,14日の
ライコ埼玉のキャンペーンに展示出来るかも?
出来ないかも?
それじゃあよろしく!

TMAX 04 PURESPORT編 其の伍

★ え?まだ? ★

 やってくれるねぇ〜、うちの開発は。
本当に優秀だよ。
俺が言った通りびっちり性能を出してきた。
集合部の容積をいじったらしい。本当にそれだけか?
65mphまでグングン加速、
そこから最高速に向かってギョイ〜ンて感じで伸びていく。
凄く速い、気持ちいい、素晴らしい、これでOK!
え? まだ? そ〜か、国内仕様との互換性のチェックか・・・。
おーし!急いでやっちゃうかっ。
ほほ〜う、ノーマルよりは全然良いけど
40km/h〜80km/hまでで加速が少し鈍るぞ。
う〜ん、だめっ、ここが気持ち悪い。
どうするのこれ・・・?

TMAX 04 PURESPORT編 其の四

★ グングントルク!★

 お〜凄い凄い、
まるでボアアップ、グングン加速するぜ!これは良いよ。
だけどこのマシンは500ccだぜ、
65mphからの加速がノーマルと一緒じゃあ面白くないよな。
65mphまでのグングントルクはこのままで、
そこから最高速へ向けて一気に加速できるような特性じゃないとダメ〜。
しっかりたのむぜ、開発担当 !!

TMAX 04 PURESPORT編 其の参

★ インパクト ★

 さあ、今度は長さの調整を徹底的に行い、
さらにスタートからトルクを引き出してみた。
ライン上では前回より倍以上の差がついている。これならいけるか・・・?

 ・・・・う〜ん、難しい。
30mphまでぐーんと出る。
しかし、そこからはノーマルと変わらない。
スタートの勢いが良い分、通して見ると伸びが悪い。
全然どんくさい。これはダメだ。
次回は、30mphまでを今より少し穏やかにして、
30mphから上のインパクトをつけるように指示を出してみた。
この結果がどう出るかがかなり楽しみだ。

TMAX 04 PURESPORT編 其の弐

★ 骨が折れそうな予感… ★

 ウィークポイントのほとんど認められないTMAXの場合には、
基本的なチューニングから始める。
特にスクーターの場合、駆動系に自動遠心クラッチと
プーリーが使用されているだけに、
一般的なマフラーの方程式はまったくあてはまらない。
一般的なマフラーって言うのは、
そう、よく言う中高速型のマフラーってやつだ。
ただ残念なことに、うちのマフラーを除くほとんどのメーカーは、
これを売っている。
クラッチ付の車両なら、こういうマフラーでも
少し高い回転でクラッチをつないだり、
低めのギアーを選択したりしてフォローが出来るが、
スクーターはこれが出来ない。
当然、極底回転で自動遠心クラッチがつながってから
パワーが盛り上がってくる速度域までに時間が掛かる。
要は、ノーマルよりもパワーのない回転域を長い時間
多く使わなくてはならない分、ディチューンになってしまうってことだ。
これで悩んでプーリーを変えたり苦労をしているライダー、けっこう多いよな。

 そこで本題。スクーターのための基本チューンて言うのは、
徹底的にスタートからのトルクを引き出す、
あとはノーマルのプーリにお任せする、ってことだ。
もちろん、ピークパワーも落としてはダメ。
この条件で一発たたき台のマフラーを作らせてみたんだ。
その結果…、
 あ〜あ…、またこれかよ…、竹やりだよ。
車体後方からゆうに1メートルははみ出してるよっ。
こんなの乗ってて捕まらないのかねぇ?
 …さあテストだ!
ウン?まったく変化が解らない。
かなりスタートからのパワーラインは上がっているはずなのに、まったくだ…。
これだからエンジンに負荷のかかりにくいローギアードな設定のマシーンで
変化を出すのは難しいんだ。
もともと軽々加速しているだけに、
相当インパクトを与えないと変化になって現れないってことだ。
TwoTailの時にも、バイパスを使ったり長さを確保したり大変だったけど、
今度はさらに骨が折れそうな予感がするぞ…。

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