忠さんが陣頭指揮をとってマフラーを開発していく実際のストーリー｜マフラー開発奮闘記

★データだけでは読み取れないフィーリングなんだ★

すっごいマフラーが出来上がったぞ。
なにが、すごいか？って・・・・・・！　
まるで、耕耘機のような特性のマフラーが出来たんだ。
低速域から8000回転まで“もりもり”トルクが出て来ているが、
その走りはまるで実用車。
沢山の荷物を積んで走るのに適している特性だと思う。
でも、残念。おれがこのバイクに求めたものは生粋のスポーツバイク、
中速域に適度なトルクを残しながら、リミッターが効くまで、
よどみなく伸びていくそんな感じだ。
出力特性測定機（シャーシダイナモ）からのデータだけでは
読み取れないフィーリングなんだ。
やっぱり、走って感じないと結論は出せないんだよね。
なにしろ、気持よくどこまでも伸びていく出力特性を引き出してくれよな！

忠

★その走りはどう変化しているのかな。★

このマシンの性能を引き出すためのキーになる回転域は
4000rpmから8000rpmまでのふけ上がり。
特に5000rpm付近の特性が重要になる。
この回転域に力を与えることでこのマシンは
今より元気に今より楽しくなるはずだ。
今、このことを開発スタッフに伝えて開発を行なってもらっている。

理想の特性をイメージしてエキパイをR125よりワンサイズ上げて作ってもらった
すると、どんどんエキパイが長くなりR125とはまったく別物の設定になってしまった。
出力特性測定機（シャーシダイナモ）で回したデータは完璧だ。
3500rpm付近から盛り上がり、8000rpmをこして
最高回転域に至るまできれいに均等に出力が上回っている。

さあ、　その走りはどう変化しているのかな。

忠

★出来上がりがたのしみだ！★

な~んだ。よく見たら、r125とほとんどエンジンが一緒だ！
流石にそのままでは着かないし、排気量も違えば、性格も違う！
軽く工場の周りを流して見たけど、
その力強さは25ccの差とは思えないくらい逞しい！
基本的な構造は変えないで、パイプの径だけを変えて試作を作ってもらっている。

出来上がりがたのしみだ！

忠

★開発にも気合いが入るぞ！★

ヤマハの世界戦略車　YZF-R15を手に入れた。
正直、写真で見たときにR125に比べて、
あんまりかっこが良くないな！と思ってた。
でも、実際車両が手もとに届いてみると、これがカッコいい！
ポジションも125より現実的で好感触。
開発にも気合いが入るぞ！

忠

★快感だ。速い速い。★

これはいい出来だ！
思いどおりの性能に仕上がった。
6,000rpm付近のパワーラインが完璧に仕上がった。
綺麗に7,000rpmを超えて吹け上がっていく。
そこからも一気にの伸びていく。これは凄いぞ。
快感だ。速い速い。
しかもその速さにゆとりすらある。
良いマフラーに仕上がったぜ！

忠

★このマシンどこまで変わって行くんだろう？★

なんだか、6,000rpmの淀みをブレークスルーしたら
だんだん楽しくなってきたぞ！
このマシンどこまで変わって行くんだろう？

忠

★このまま突き進むぜ！★

これは楽しい！
思わず走り過ぎて、こんな時間になってしまった。
6,000rpm付近の変化が生みだす余裕って言うのかな。
開発の方向性は間違っていないから、このまま突き進むぜ！

忠

★をmm単位で修正しながら作っていったんだ。★

執念だね。
とうとう、中速域のパワーラインに変化をもたらすポイントを見つけ出した。
この絶妙に太さの違ったパイプをmm単位で
修正しながら変化を作っていったんだ。
本当に頭が下がるおもいだね。
これで何とか開発のめどが立ちそうだ！

忠

★いやぁ～　大変なバイクだぞこれは！★

いやぁ～　大変なバイクだぞこれは！
多分、YAMAHAも性能を最大限引出すために
マフラーを徹底的に開発したんだと思う。
どこをどういじっても最高出力がピョコっと上がるだけで
ほとんど普段の走行で多用する速度域に変化を作れないんだ。
困ったなぁ～。

俺としては、6.000rpmあたりのパワーラインをきれいに
整えたいと思って指示を出したんだけど簡単にはいかないようだ。
ここのパワーラインがきれいに整うと走りに余裕ができて
高めのギアでもスイスイ走れると思うんだ。
多分、YAMAHAは高速の伸びを強調するために
ここにパワーの溜を作っているのだろうけど、
ここにストリートで気持ちイー感覚で走るための
キーワードが隠されていると感じているんだ。

なんとかしてくれ　たのむぜ！

忠

★新車の場合良くあることなんだ★

今回来たR25はどうもまっさらの新車のせいか、
この前まで借りていたマシンと比べ全然パワーが出ていないんだ。
これは新車の場合良くあることなんだ。

今日は珍しく天気が良くてしかも暖かい。
ツーリングがてらに走行距離を伸ばそうと思っている。
と思ったら、バイクがない。どこだ！？

開発の大泉がお遊びがてらに乗っていったらしい。
しかも帰ってこない。
どこまでいったんだ？

忠