忠さんが陣頭指揮をとってマフラーを開発していく実際のストーリー|マフラー開発奮闘記

2018~SR400編 其の伍

  • 投稿日時:2018年12月08日
  • カテゴリー:SR400 18~

★このラインを見たら乗る気もしないが★

緊急で前回より一回り細いエキパイを作ってもらった。
空吹かしではドドドドってかなり力強いパルスを出している。
さあ、シャーシダイナモを回してみるか。

・・・・・ほとんど何も変わらない。
気持ち高速が伸びたような気がする。
でも、ここのパワーは今はいらない。
このラインを見たら乗る気もしないが一応乗ってみる。

ひどい、気持ち悪い・・・・・。

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2018~SR400編 其の四

  • 投稿日時:2018年12月07日
  • カテゴリー:SR400 18~

★変化がないどころか若干のパワーは落ち込んでいる・・・。★

出力特性に変化を引き出すために極端にパイプの太さを変えてみた。
過去400ccクラスでは使ったことのない極細パイプを試してみたんだ。
通常こんなパイプを使うと低速域で反応するが
中速から高速にかけて排気が糞づまって回転とパワーが落ちてしまうんだ。

しかし、SRは違った。
重たいフライホイールに低速から勢いをつけたいと思っている
俺たちの気持ちをあざ笑うかのごとく
一番高回転の最高出力付近のパワーラインが上がった! 
しかもここ一点だけだ。

なんてこった・・・・。
太いパイプを使うと全体的にパワーが落ち、
細いパイプを使うと今度は振動がひどくて
普段あまり使わないようなピークパワーだけが上がったんだ。 
俺たちが求めている2500rpmから3500rpmには
変化がないどころか若干のパワーは落ち込んでいる・・・。

こんな状態でも一応乗ってみた。
中速域までひどい振動だ。回転の上がりもドロドロしており気持ち悪い。
高回転域まで到達するのにとても遅いのとめちゃくちゃ不快だ。

そうか、もしかしたらこのマシンこのパイプでもまだ太すぎるのかもしれない
更に一回り細いパイプを使ってみるか。
さあ、結果はどうなことか?


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2018~SR400編 其の参

  • 投稿日時:2018年12月06日
  • カテゴリー:SR400 18~

★雪だるま式に増幅していくパワーと加速!★

まず誰がどう考えたって、今までやってきた
SR400のエキゾーストパイプの太さが太すぎるんだ!
ルックス重視で車体やエンジンとのバランスを考えると
外形は直径45mmくらい(純正もこのサイズ)細くても42.7mmくらいだろうな・・・・

ルックス重視でこのマフラーのエキゾーストパイプサイズを選択したとしても、
元々エンジンがよく出来ているから、そこそこ走るんだよね。
でも確実にノーマルを上回ることは多分不可能なんじゃないかな。

SP忠男はあなたに気持ちイー! って
言ってもらうために仕事をしてるから、やっぱりそれじゃあダメなんだ。

じゃあ、どうやったらSR400乗りのあなたに気持ちイー! って言ってもらえるか・・・
それはスタートからモリモリたくましく湧き上がるトルク
(つよい粘り強さ)これを引き出すことでエンジンのフライホイール(はずみ車)に
勢いをつけ、雪だるま式に増幅していくパワーと加速!これがキーワードだと思っている。
一般的な中速から高速にパワーを引き出すマフラーとは訳が違う。
どちらかというとプーリーで変速させていく
スクーターのマフラーに似た特製の引き出し方が必要となる。
ただ、排気の抜けをよくして、
一見パワーが上がっているように感じさせるマフラーとは正反対だ。

だから、今回一旦はルックスという重りを取り払って
100%気持ちイー!の探求に舵を切ったんだ。
外見は一切気にしない。そんなことを気にする余裕なんていまは微塵もないんだ。
ただただ、気持ちイー! の探求。
そう考えたら何だかこの仕事、ワクワクしてきた、さあがんばるぞ。


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2018〜CB250R編 其の弍

  • 投稿日時:2018年11月29日
  • カテゴリー:CB250R 18

★速く走ればいいやってことでは無くなって来ていると思うんだ。★

最近CB250Rを走らせていて感じることは
やはりこのマシンはアジアの元気なライダーに照準を合わせて
開発が行われているんだろうなってことだ。

一般道の流れの中でCB250RSを無意識に走らせようとすると
ほんの少しマシンの設定速度が高いように感じる。
一番気持ち良いギアと速度で走ると
常に少しづつ周りの交通よりペースが速くなってしまう。
30年くらい前の日本ならそんなの当たり前だったかもしれないけど
最近日本では成熟されたライダーが多く
彼らは基本何でもかんでも速く走ればいいやってことでは
なくなってきていると思うんだ。

多分このマシンの3000rpmから5000rpmのトルクを強化して
常に5速から6速をホールドで気持ちよく走ることができるようになったら
走りのクオリティーが一段アップし、
一般道の流れの中で成熟したライダーのあなたも
かなり気持ちよく走れるようになるんだろうなぁ、なんてことを考えているんだ。

そんなこんなで今回俺が開発スタッフに指示した内容は
高速域の気持ちイー 伸びと、3000rpmから5000rpmのトルク強化だ!
さあ、どんなマフラーを創り出してくれるか楽しみだ。

 
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2018~SR400編 其の弍

  • 投稿日時:2018年11月29日
  • カテゴリー:SR400 18~

★低い回転域にエンジンの粘り=トルクを出してくれ★

試作のエキゾースパイプを作るたびに
どんなにシャーシダイナモ(出力特性測定機)で性能が落ちていても
一回はその試作を試して乗ってみるんだ。
ノーマルのエキゾーストパイプと比較することで
今後の開発の方向性を見出すためにこの行為は絶対に欠かせない。
それと開発のスタッフが手間暇かけて
一所懸命生み出してくれた試作モデルを
ちゃんと乗って評価しないと申し訳ないし、もったいないと思うんだ。

しかしその甲斐あってか、最近ノーマル状態のSR400に乗って
鮮明に感じることがあるんだ。
これはマフラーやエキゾーストパイプの変更で
引き出せるのなのかどうかは全く未知数なんだけど、
俺たちの中にSR400オーナーの貴方に気持ちイー! って
言わせることができるんじゃないかなって言うキーワードを発見したんだ。

それはある時丸一日かけてSR400を一般道で楽しく乗り回していた時のこと、
いつものようにのどかな特性に満足しながらポカポカした気分で走り回っていた。
車の後ろについたり追い越して単独で走ったり、
刈り取りの終わった田んぼの中農道をどこまでもどこまでも淡々と走ったり、
ある時はゆるいワインディングを心地よく流したり・・・・・ 
でもその時のエンジン回転数は4000rpm前後3速から4速
または4速から5速。あれあれ?

あんまり優雅じゃないなぁ? 
なんかビッグシングルのSR400だから
これぐらいな走りはビッグトルクに物言わせて
全て5速ギアをホールドでタッタッタッタって
心地よいパルス感を味わいながら気持ちよく走りたいよな。
ノーマルの走りもけっして悪くないけどこの走りをSR400に
実現できたらもっとSR400は愛されるキャラクターになるような気がするんだ。

ここ1ヶ月ちょっとかけて俺たちが出した答えは
案外このエンジン高回転型なのかもしれないなぁってこと。
しかし、その割にクランクシャフトのフライホイール
(エンジンの中にはエンストしないようにまた回転が滑らからに回るように
フライホイールっていうはずみぐるまが付いているんだ)
が重たくて4000rpm以下だとエンジンの粘りが負けて
それをうまく回しきれていない。
と言うか、バランスがあまりよくないように感じたんだ。
逆に4000rpm付近を超えてくるとこのバランスがうまく取れてくるので
気持ちよく走ることができるそんな感じだ。
まあこれは俺たちだけか感じたことかもしれないけどね。

そこで俺は開発スタッフに伝えたんだ。
出来るだけ低い回転域にエンジンの粘り=トルクを出してくれって、
今まで何をやって変化が出なかったSR400にどうしろって言うんだよって言う
不満げな顔の彼らとは逆に明確な方向性が見えた俺はご機嫌だ。


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~2017 SR400編 其の参

  • 投稿日時:2018年11月27日
  • カテゴリー:SR400 17

★ほとんど何の変化もない★

気持ちイー! を求めてあれから何十本作っただろう・・・・
ほとんど何の変化もない
もしかしたらこれはかなり厄介なものに手を出してしまったのかもしれない。
まずいぞ。

こいつに手間取っていたら2018年モデルの車両がやってきた。
ひとまず開発はこの新型に移行しよう。
新型でいい性能を引き出してこの~2017モデルにフィードバックだ。

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2018~SR400編 其の壱

  • 投稿日時:2018年11月27日
  • カテゴリー:SR400 18~

★トルクが落ちるだけ純正以上にはならない★

~2017モデルから引き継ぎ、
2018~SR400にさらなる気持ちイー! を求めて
開発を開始してから早1ヶ月・・・・・

性能に何も変化無し、というか性能は
落ちることがあっても一切上がることはない。
純正のエキゾーシトパイプは構造が二重になっていて
中のパイプはかなり細い。
これは性能を上げるためと外側のパイプの色が変色しないように
熱を伝えないための二つの意味がある。
うちも製品化にスムーズに移行できるよう純正と同じ二重管構造で
数十パターンの試作を作り開発を続けてきたが
あまりにも性能がよくならないのと
手間がかかりすぎるので一旦これを断念。

開き直ってSR400の純正と同じ外径の太さや
それ以上やそれ以下の太さのパイプをいくつか作り
一重管で性能を試してみたが、
やはりスカスカでトルクが落ちるだけ純正以上にはならない。
膨張室(BOX )をつけて大きさや位置をかえ探ってみたが
これでも性能は全く駄目だこんなんじゃうちの製品にはならない。
開発スタッフのモチベーションもかなり落ちてきた、これはまずい。

しかたない仕切り直しだ。
もう一切外観にはこだわらず
ただ性能だけを追いかけて開発をしていくことにきめた。
ルックスはその後だ。

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2018〜CB250R編 其の壱

  • 投稿日時:2018年11月20日
  • カテゴリー:CB250R 18

★日本で作っていた頃のフィーリングが戻ってきた★

よくできてるね。本当によくできてるよ思うよ。
一時期ホンダのマシンは海外で作るようになってから
酷い出来だったと思うんだ。
ギアチェンジの度ににグシャグシャって感じのシフト感で
とても不快だった。
エンジン音や排気音も決して魅力的だったとは思えない。

しかしのこCB250R全く違う。すごい完成度だ。
ギアチェンジのフィーリングがカチッカチッって
日本で作っていた頃のフィーリングが戻ってきた
メカノイズもいたって静か、排気音もなかなか良い・・・・。

 
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2018〜CB250R編 序章

  • 投稿日時:2018年11月11日
  • カテゴリー:CB250R 18

★開発してほしいって言うリクエストがメールで送られてくる★

ここのところ毎日のようにCB250Rのマフラーを
開発してほしいって言うリクエストがメールで送られてくる。
前々からかっこいいネイキッドが出たなって
気にはなっていたけどこんなに人気になるとは思っていなかった。

ということで、今回も熱いリクエストにお応えして
CB250Rの車両を手に入れた。
さあ、どんなふうに料理したらCB250Rオーナーのあなたに
喜んでもらえるか、乗って乗って乗って走って走って走って考えよう。


 
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2018 Ninja250 TwoTail編 其の弐

★低い回転から綺麗にパワーがつながっていく★

ハイスペックなスパルタンマフラーを作ろうって、
言ってもちゃんと街中を走って爽快感が味わえなければ意味がない。
何しろSP忠男は気持ちイー! なんだから。
だからよくある短いエキパイで大きな穴の開いたサイレンサーで
思いっきり半クラを使って・・・
なんて安直なマフラーは元から作る気は全くない。

昔ビッグバイクでやっていたモンスターパワーバージョンのように思
いっきりピークパワーを引き出しておいて、
ちゃんとエキパイを絶妙な長さに調整し
低い回転から綺麗にパワーがつながっていく
そんなイメージで開発に取り組んでいるんだ。
絶対すごいマフラーを作ってやる。
まずはピークパワーだな。

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  • SP 忠男 浅草本店
  • 〒111-0033 東京都台東区花川戸2-17-10
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  • SP忠男 業販部
  • 〒111-0033 東京都台東区花川戸2-17-10
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スペシャルパーツ忠男(SP 忠男)| オートバイ・バイク・二輪車、オリジナルマフラー公式サイト

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”気持ちイー!”で世界中のライダーを愉快にさせるために。
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