忠さんが陣頭指揮をとってマフラーを開発していく実際のストーリー｜マフラー開発奮闘記

★6速に入れっぱなしでグイグイとどこまでも進んでいく★

さあ、だんだん近付いてきた。
あのXJR1300を軽くチューニングしたあの感じがよみがえってきたぜ！
スタンダーの09とは違って　どこの回転域からでも
太いトルクで立上がる沸き上がるようなパワー感だ。
いつでもどんなタイミングでアクセルを捻っても
ライダーを裏切ることなく、同じようについてくる。
そう、あのXJR1300独特の絶対的な安心感だ。

ライダーに対して、絶対的な忠誠心でついてくる。
ずぶとく逞しいあの感覚だ。これは気持ちイー！
普段からビッグバイクらしく、
ずぼらに6速に入れっぱなしでグイグイとどこまでも進んでいく。
思いっきり長距離を走ってもぜんぜん疲れが違うんだ。最高だね。

あと若干4,000rpm付近にパワーの淀みを感じてこれが不快なので
いま必死になってそこを調整してもらっているところだ。
もう少し待ってくれよな。

忠

★XJR1300を少しチューニングした感じ★

どうしても、あのエキパイに納得いかなくて
今度はTRACERのエキパイを基準に徹底的にいじってもらうことにしたんだ。
パワフルでフラットで、そしてどことなくワイルドな　
あのXJR1300を少しチューニングした感じ。
あの感じがこの軽量な車体で実現できたら、
これもまた　気持ちイー！　に決まっている。
想像しただけでワクワクするぜ！

忠

★MT09の軽さでXJR1300の特性だったらそれはそれで魅力的だとおもうんだ★

今販売しているMT09　のPOWER BOX FULLは
俺に取って最高の傑作だとおもう。
ノーマルよりもかなり上回るパワーを引きだしておきながら
あのライダーを緊張させる唐突な出力特性を抑え込んで
　MT09を軽快で心から楽しめる
まさに『気持ちイー！』出力特性を創り上げたんだ。
ほんとにこれは傑作だ。
だから、MT09が心底好きでこのフィーリングの本質を
楽しみたい走りを楽しみたいライダーには最高のマフラーなんだ。

一方、以前から俺が愛用している　XJR1300
このマシンがまた素晴らしい。
どんな時にも気負いがいらず、気楽に気軽にどんな遠くでも行ける。
その素直な操縦性とジェントルなエンジン特性のおかげだ。
だけど、ちょっと重量が重い。
MT09の軽さでXJR1300の特性だったらそれはそれで魅力的だとおもうんだ。
それで俺は今回このMT09にXJR1300の特性を求めた
長距離を走っても疲れずに楽しめるクルージングタイプのマフラーを開発したいんだ。

そんな話をしていたら、同じようなリクエストが
ユーザーからどんどん入ってくるようになったんだ。
とても期待が大きいようだ、頑張るぞ。
って、言うことで早速、以前開発していたあのフレンドリーなマフラーに乗った。
さあどんな感じかな。

なかなかいいよ！　
なかなか・・・。
でもなぁ・・・。
見事なくらいフラットな特性で、絶対に疲れないとおもうんだけど
あのXJR1300にある、バランスの取れた不思議な軽さ、
そう、この軽さが無いんだ。どうすればいいんだろう？？？

忠

★XJR1300みたいなエンジン特性にしてあげれば★

XJR1300で行ったときのツーリングは楽しかったなぁ～。
どこへでも行けるし、道を間違えても素直な特性なので
気楽にUターンできて、あちこちいける。
道の反対側に気になるお店を見つけた時、
細い路地の向こうにきらきら光る海が見えた時、
おもうがままに走りまわれたよな。

MT09もこれだけ軽くて足付き性も良いし、
XJR1300みたいなエンジン特性にしてあげれば
また、今とは違った面が見えるのになぁ～。
以前、開発中に思いっきりフレンドリーな特性の試作マフラーを
作ったことあったよな。
あれをもう一回、引張りだしてくれないか？

忠

★やっとツーリングに行く気になった★

おかげさまで、MT09　POWER BOX　FULLマフラーは大人気
気楽に乗れるシャープにパワーアップ。
毎日が楽しくて仕方ない・・・　
沢山の喜びの声をいただいている。
そしてそんな中、XJR1300からMT09への乗りかえで
MT09のパワー特性に苦戦されていたお客様からも
このマフラーを着けて
「やっとツーリングに行く気になった　ありがとう」
ってメールをいただいた！

そうか　ツーリングか・・・

忠

★ささやきのようなサウンドが出来上がった★

きた！きた！きた！
軽快で、快適で気持イー走りの性能に見合った
心地よく、かすかに耳にはいってくる。
まるで、ささやきのようなサウンドが出来上がった。

これはいい！
癒しの高性能NC750をさらに快適にしてくれる
最高のマフラーPOWER BOXが出来上がったぞ！

そして、実はここまで内緒にしていたんだけど
このマフラーには同時開発の２本出しも存在するんだ。
すべてに一本出しを上回る軽快で
快適で、気持イーをもったマフラーだ。

２本出しは１本だしよりかなり価格が高く設定されているので
その価格を気にしないNC750オーナーにはお勧めのマフラーだ。
詳細はホームページのマフラーリストで
アップさせてもらうから、それで確認してくれよな。

忠

★性能は完璧だと思う。。★

性能は本当に良くなってきた！
若干2,000rpm~4,000rpmまでの間にトルクを引出した
これによってかなり軽快な走りをしてくれるようになった。
でもここまでくる途中、何度もパワーをアップさせては
また落しての繰り返しだったんだ。

すこしパワーを出しすぎるとすぐにNC750が本来持っているきめ細やかさを失って
がさつな加速になってしまうんだ。
この特性が出ると走りは興ざめ。
癒されるところかどっと疲れが出てきてしまう。

でも、おかげさまで性能は完璧だと思う。
極力ライダーに刺激を与えないような性能作りにこだわったんだ。
次はサウンド。　これがねぇ～・・

★快適ではなくなった★

さあ、NC750用の元気印『POWER BOXマフラー』が出来上がってきたぞ
デザインもいい！
サウンドもウォンウォン！
ハーレーみたいで中々の出来だ！
走りが楽しみだ・・・。

・・・・　あぁ～　
・・・・・　そ　う　な　ん　だ　ぁ　～
・・・　こ　れ　な　ん　だ　ぁ　～　

最近、NC750でマフラー替えたユーザーから
連絡をいただく事が多くて、
その中で一番多く聞くのはマフラーを替えたら、
なんだかよくわからないけど快適ではなくなった。
なにかわからないけど、ストレスが・・・

そうかこれなんだ！
NC750は快適な走りを実現するために
絶妙なバランスで仕上げられているんだ。
だから、ほんの少し音が大きくなっただけでも
耳障りに聞こえるし、ほんの少し加速感が
強調されても疲労感に繋がってしまうんだ。

これはまた、大変なマシンを抱え込んでしまったぞ。

忠

★いかに快適な性能に仕上げるか。★

シンプルな構造だけに一つ一つの部品の形状の違いによって
性能やサウンドを引き出すんだ、
基本的な走行性能では40km/h~60km/hの間を
いかに快適な性能に仕上げるか。

細かいパワーラインのでこぼこを調整しながら
安心感を引出していくんだ。
これには気の遠くなるような作業の繰り返しが必要となってくるんだ。

忠

★なるべく小さく、なるべく軽く、★

POWER BOX構造の強みを活かして
なるべく小さく、なるべく軽く、
しかも元気な特性に作ってくれよって、開発を担当者に依頼したんだ。
作業はどんどん進んで、もう少しで出来上がるぞ。楽しみだ！

忠