忠さんが陣頭指揮をとってマフラーを開発していく実際のストーリー｜マフラー開発奮闘記

★納得のいく性能を導きだすことができた。★

あらゆるパイプの長さをテスト。
あらゆる形状や容量の膨張室を確認し、
バイパスパイプの長さや本数も変えまくり。
やっと、やっと、シャーシダイナモ（出力特性測定機）上で
納得のいく性能を導きだすことができた。　
いやぁ～、大変だった！

ここまでくれば、あと少しだ。

忠

★けっこう大変だぁ★

・・・・・・　けっこう大変だぁ・・・・・・。

忠

★膨張室を付けただけではあまり変化が無い。★

今度は純正のエキパイにオフロードでは
一般的になってきたサブチャンバーを付けてみる　
得意のPOWER BOXと同じ発想だ！

・・・やっぱり、膨張室を付けただけではあまり変化が無いようだ。

今、販売しているPOWER BOXと同じ様に
ボックスの容積、　取付け位置、バイパスパイプの太さ長さ、
徹底的にいじりまくってみるか！

忠

★長さだけではうまく対応できそうにない。★

まずはドンツキ感をなくすためにマフラー開発のセオリー通り
パイプの長さをいじりまくった。
長くしたり、短くしたり　・・・・・。

これで、まる二日間をつぶしてしまった。
結果はあんまり芳しくない。
短くしてもあまり変わらず、長くしたら、
ただただパワーの出方が鈍くなって
鈍臭いイメージになってしまった。

長さだけではうまく対応できそうにない。
残念！

忠

★この谷が無くなったら、夢のように気持ちよくなるよなぁ！★

まずはノーマル車両に乗ってみた。
・・・・・素晴らしい性能だ！
そうだよね、　250は本来これくらい速かったよな
これこそが、真の250の性能だよな。あっぱれだ。

あと、１速や2速で走ろうとすると若干違和感を感じる。
そう・・・・、ドンツキ感？　唐突感？　
こいつを取っ払ってあげればかなり気持ち良くなるな！
それから、よく使う4速で走行中に50km/h以下でやっぱり違和感を感じる
（このバイク若干スプロケットが変わっていて正確な速度はちょっとちがうかもしれないが）
・・・トルクの谷？
・・・・一番良く使うところだけにストレスを感じてしまうんだ。

この谷が無くなったら、夢のように気持ちよくなるよなぁ！
ここをなんとかしてあげたいね。

忠

★色々感じて開発の方向性を決めていこう★

どうする？
今、付いてるFMFを外して
サイレンサーだけ新たに開発をするか、
それともエキパイまで入れたフルエキゾースト？

車両を借りられる日数も限られてるし、
開発をする時間に余裕がないなぁ！

まずはマフラーをすべて純正に戻して走ってみるか。
そこから色々感じて開発の方向性を決めていこう。
おーい！マフラーを純正にもどしてくれ！

忠

★FMFのかっこいいマフラーがついてるじゃん・・・。★

ひょんなことから、わが社にWR250Rがやって来た。
昨年末、奈良にある世界一の精度を誇るスプロケットメーカーの
株式会社アイ・エス・エーにお邪魔したとき、
二代目の琢磨君に
『愛車のマフラーを作ってくれないかなぁ～』って言われて
『い～よぉ～』なんて、安請け合いをしてしまったのがきっかけなんだ。

しかし、積んで帰って来て気がついたんだけど
このバイク、
はなから、FMFのかっこいいマフラーがついてるじゃん・・・。

忠

★ もっともっと図太いトルクを！★

　やっぱりCBの時にさんざん苦労しただけあって、
沢山のチューニングデータが残っている。
だから開発も早く進んだ。
パイプの長さ設定と集合部分の容積変更を行い、
さらに強烈なトルクを引き出したんだ。
　・・・すると・・・、
完璧！　速い！
ダッシュを決めたいとき今までみたいに
7000rpmまで強引に引っぱってつながなくても
5000/6000、いやそんなに回さなくても、
もっと低いギアでつないでいって、最高に速い！
普段３・４速で走っていたところもトップに
ぶち込みっぱなしでグングン加速する。
やっぱりビッグマシンはこれでなくっちゃ!!
こういうでっかいマシンを速く楽しく走らせるには、
どんなときにでも軽快にフットワークできる
強烈なトルクが必要なんだ。
このPURESPORTがまさしくその望みをかなえてくれるぜっ。
あっ、それからあんまり気にはしてなかったんだけど、
スタッフが言うには燃費が驚異的に良くなったそうだ。
トルクがずぶとくなると、いろいろいいことが起きるんだな。
　・・・と言うことで、
あとは最低地上高・フルバンク状態のバンク角・フィルター＆OIL交換
＆etcの重要な機能を盛り込んだ最高のスタイリングで発売だ!!
たぶん今年中には販売できると思うぜ！よろしくな。

忠

★ もっともっと図太いトルクを！★

　このての超重量車をおもいっきり加速させるには
相当なトルクが必要なんだ。
少しでもパワーバンドが上にずれるとてきめんに走りが悪くなる。
いつも１速下のギアで引っぱらなければ走らなくなるんだ。
この車重だぜっ、回転をひっぱて乗るなんて
考えただけでぞっとするぜっ！
・・・ってことで今回はトルクの強さで絶大な人気を誇る
CB1300SF用のPURESPORTに改造を施して
X4に装着してみた。
さあ、ここからテスト開始だ！

・・・これでいいんじゃないか！
スタートからあきらかに強烈なダッシュだし
今まで２・３速を多用して走ってたような場所でも、
ほとんど３・４速でトラクションを駆けて行けるし、
当然ゼロヨンだって見違えるように速い。
はっきり言ってこれで文句無いけど・・・
そうだなぁ、せっかくだからやっぱり、
もっともっと図太いトルクを引き出して、
さらなるインパクトとさらなる高性能を引き出してやるかっ。
よ〜し、開発スタッフ諸君！一発頑張ってもらおうか!!

忠

★ X4 にこそPURE SPORT ★

　本当に凄いよなっ、このマシンは。
この車重、この車体に、このハンドル・・・。
でも結構軽いフットワークで走ってしまう素晴らしいバランスだ。
走っていても結構楽しい・・・。
でもペースを上げて気がついた！
これ1300ccだろ？CB1300SFと同じエンジンだろ？
パワー無いなっ！CBだったら5000rpmもまわっていれば
得られるような加速を7000rpmぐらいまで引っぱらなければ得られないし、
その割にあまりスピードも出ていない。
普通に走っているときでもCBなんかに比べて
1000〜1500rpmぐらい高い回転で走っているような気がする。
やっぱり車重がネックになっているんだろうな。
これじゃあ燃費も悪いだろうな〜。
まあ、こういうマシンにこそ超トルク型の
PURESPORTが面白いんだ。
これから全力で開発に入るから
X4 ファンのみんな、待っててくれよなっ。

忠