忠さんが陣頭指揮をとってマフラーを開発していく実際のストーリー|マフラー開発奮闘記

SILVER WING600編 其の四

★ 驚きにも値するぜ! ★

 やはりあれ以上は無理か?
なかばあきらめていたところに
今度こそどうだって勢いで連絡が入っきた。
あれからずいぶん試行錯誤したらしい。
何種類もの違った径のパイプを駆使し、
それぞれミリ単位で長さを変えながら膨張のタイミングを変化させ、
千にも迫る組み合わせの中から選び出し、
そこにバイパスの設定を変えたり付けたり外したり、
さらにはマフラーの心臓、集合部の容積&絞り角を
どんどん変化させ導き出した性能だ!
テストするにも少しプレッシャーを感じるぜ!まあ乗ってみるか・・・。

これは凄い。これは本当に面白い・・
 このトルクが本当にいい。
最初に気になっていた50〜100km/hの間が逆に最高に楽しい。
しかも、どこまでもそのままの勢いで伸びていく。
またどこからでもアクセルに正確に反応し、
力強く加速する。二人乗りもこっちのもんだ。
ノーマルでアクセル全開にしなければ
得られない様な加速やトルクが、
半分のアクセル開度で数段アップしたトルクを得られてしまう
この余裕が本当に楽しい。
やっぱり600ccのマシンはこうでなくっちゃだめだよな!
サウンドも、音質音量共にかなり抑えさせたから、
重低音がわずかに聞こえるだけで乗っている方も気分がいい。
これなら性能もOKどころか驚きにも値するぜ!
 あと残った問題は、この凄い性能を持ったとんでもないマフラーを
どう車体に納めてデザインするかってことだ。
さ〜あ頑張るぞ!!

SILVER WING600編 其の参

★ 超“竹槍”でもイケてるぜっ! ★

 さぁ、こんどの試作は性能がかなりズバリの物が出来てきたって言うんで、
乗りに来てみたんだけれど、またひどい形だ。
またがっただけでお巡りさんに捕まりそうな超“竹槍”だ。
性能だけの試作だって言うけどもう少し何とかなんないのかね〜・・・。
 まあ仕方ないっ、試してみるかっ・・・・。

 ほ〜ぅ、すげ〜完璧につながった。
55km/hから80km/hまでのトロさが全くない。
ワインディングなんかを走ると、
まるでクラッチ付のマシンで攻めてるみたいに、
右手にリニアにガンガン加速する。
二人乗りの追い越しも試してみたが、かなりのデブチャンを
積んで車の右に出ても、もうあっという間に抜き去ってしまう。
全然「安心」だし「安全」だ。う〜ん、すばらしい。

 こうなると人間欲が出るってもんだ。
つぎはビッグネイキッド並に
もっとガンガン走ることが出来るトルクを引き出してもらおうかね。
きっとできるさっ、
何しろ大人がタンデムで余裕を持って楽しめないとなっ。
なぁっ、開発担当!
またまた次回を、乞うご期待!

SILVER WING600編 其の弐

★ ここが一番大切ダッチューの! ★

 さ〜あ一発目の試作が上がってきたぞ!
と言っても、特性の方向性を探るだけの試作モデルで
まったく車体に沿ってない。
外観的に見ると、まるで暴走族の竹槍だ。
まぁ、みんなには絶対見せられない代物だね。

外見はさておき、とりあえず乗ってみた・・・。
 うん、スタートダッシュがさらに良くなっている。
ノーマルは50km/hまでだったが、
こんどの試作は少し伸びて55km/hまで。
そして途中があいて、ノーマルが100km/hから伸びたスピードも、
80km/hから上乗せされたトルクでかなり力強く伸びていく。
だが、やはり55km/hから80km/hがトロイ。
ここが一番大切ダッチューの!

と言うことで、
開発の方向性はかなり現実的に見えてきた。
この域の特性のこだわりを、
開発担当者と密に打ち合わせをして次回の試作を待つことにしたんだ。

SILVER WING600編 其の壱

★ マフラーという武器 ★

 う〜ん・・・、シルバーウイング600。
さすが大人のスクーターって感じだな。
質感がいい、コーナーリング性能もいい、
なによりスタートダッシュがいい。
そして100km/hを超えてからのスピードの乗りがいい。
それじゃあこのままでいいじゃないかって?
そう、このままで良くできてる!
でもうちはチューニングパーツメーカー。
マフラーという武器を使ってさらに高性能に、
さらに楽しく走行が出来るようにして、
シルバーウィングの価値を上げるのが俺達の仕事。
当然今回もそのつもりだ。

 まずはチェックポイント。
前に書いたようにスタートダッシュはいい、
そして、100km/hからの伸びもいい。
しかし、その間50km/h〜100km/hまでの間がいまいち。
スクーターとしてはいい方だろうが、このマシンは600ccだ。
車を追い越すときに多用されるこの速度域、
一人で乗っているときでもそうだが、
タンデムになったらなおさらそわそわしちゃうぜっ。
アクセルに加速が連動していかないんだ。
この域に入ると、ピックアップが悪くて楽しくない。
少なくともスクーターじゃない他の600ccは、
この速度域でもっと楽しく走ることが出来るぜっ。

って言うことで、
今回、俺はシルバーウィングを600ccのスポーツマシンとして
楽しく安全に走ることが出来るよう、
この速度域を徹底チューニングすることにした。
ビッグバイクの良さは、右手に速度が連動することだ。
絶対に面白く出来る自信があるぜっ!
次回、乞うご期待。

SILVER WING600編 序章

★ 大人のビッグスクーター ★

 大人のビッグスクーター「シルバーウイング600」。
このマフラーを早く作ってくれっていう要望がもの凄い件数で寄せられている。
わかったわかったっ、急いでやるよ !!

と言うことで新車を購入。
まずはノーマルの良いところ・悪いところを知るために毎日楽しく乗ってます !!
裏話は、こうご期待!!

SKYWAVE250 03編 其の六

★ やっぱりこうでなくっちゃ! ★

 おーし!前回俺が指示した通り、
しっかりトルクを上げてきた。これでOKが出せるかな?

 う〜ん、もう少し、もうほんの少し伸びが足りないんだ。
あと500rpm上にトルクをずらしてくれよ。
もうほんの少しなんだ、
そうしたら絶対楽しいと思うんだよな。
そして、う〜ん、さっきと今のの中間ぐらい、
そしたら完璧!たのむぜ。
そしたらう〜んとスッキリするんだ。

(そしてさらに改良)
ふぅ〜、最高!
 もうどこからでもグングン加速をするし
右手に対して凄くリニアだ。
コーナーリングもしっかりトラクションが掛かって気持ちいい。
おネエちゃんなんか乗っけて走っても楽々加速をしちゃうし、
何より楽しい。サウンドも全然うるさくないし心地良い。
やっぱりPURESPORTはこうでなくっちゃな!
 あとはいつもの通りバンク角やoil交換なんかをしっかり考慮して、
ビシッと最高のデザインに仕上げるだけだ。
排ガス試験も受けて、発売はもう間近・・・乞うご期待!

SKYWAVE250 03編 其の四

★ 何かが違う・・・ ★

  前回さんざん悩んだあげく、ある結論に達したんだ。
プーリーが6000rpm付近を維持して走るように設定されている以上、
スタート直後からすぐにトルクを上げていっても走りに反応しない。
ならば、パワーの出始めを6000rpm位に引き上げ、
そこからパワーを炸裂させるか。
 と言うことで、今回はそういう設定の試作マフラーを作らせた。
楽しみだ。

・・・さて試乗・・・
 ふ〜ん、何かが違う。
確かに速くなった。100km/hを超えてどんどん加速をしていく。
本当に速い、でも面白くない。
全然アクセルに対してリニアじゃない。
乗せられてるって言うか、操っている感じが全然しないんだ。
ふ〜む、つまらん・・・。

SKYWAVE250 03編 其の伍

★ いいかも・・・!? ★

  ま〜たあれからけっこう悩んだ。
そして今度はパワーの出初めを1500rpm位下げて
もう少し早めからトルクを盛り上げさせた。
今度はどうだ。
おっ・・・こんな感じ。
結構いける。
ほんの少しノーマルより良い
コーナーリング少しリニアになった、
いいかも・・・!?

よ〜し、この回転域を維持したまま、
ど〜んとトルクを上げてもらおうか!
たのむぜ開発担当!!

SKYWAVE250 03編 其の参

★ どうなっちゃってるんだ ★

  さ〜あ上がってきたぜ、
いつものようにスタートから
ガツ〜ンとトルクを引き出した試作第一号が。
これはほんとに楽しみだぜ!

ウンッ?
やっちゃった!?・

ぜ〜んぜん変化が解らない。
解らないどころか70km/h上が何となく鈍くさい。
おかしい、
マジェやフォルツァの時はこんな設定でかなりイケてたのに、
どうなっちゃってるんだ、このスクーターは・・・・。

SKYWAVE250 03編 其の弐

★ こいつを面白くするには ★

  あれから毎日こいつに乗ってみたんだ。
やっぱり速いなっ、このスクーター。
速さの秘訣は・・・
 馬力もさることながらプーリーの絶妙なセッティングにある。
3000rpm付近と高めの回転で遠心クラッチをミートさせて、
そこからすぐにパワーの出ている6000rpm付近まで
プーリーでもって行ってく。
そしてその回転から上の回転を
維持するように設定されているようだ。
まさに絶妙、だから速い、
しかも振動が少ないから嫌な感じがない。

 う〜む、こいつを面白くするには
スタートから60km/hまでのダイレクト感を引き出す。
何しろ全開で加速しているときは良いが、
40や50km/h付近で走っていると、
どうもアクセルに対する反応が悪くふぬけ感が漂う。
これではコーナーリングが面白くない。
せっかく最高のフレームと足回りを持ったスクーターなんだ、
もっとトラクションを駆けてグングン走れるように仕上げるか。
もちろんずば抜けた加速もだ。

まずはスタートからガンガントルクを上げさせるように指示を出すか。

  • SP 忠男 浅草本店
  • 〒111-0033 東京都台東区花川戸2-17-10
  • 平日 10:00~19:00  土日曜/祝日 9:30~18:00
    定休日 毎週水曜日 第三火曜日
  • SP忠男 業販部
  • 〒111-0033 東京都台東区花川戸2-17-10
  • 定休日 毎週日曜日 祝日

スペシャルパーツ忠男(SP 忠男)| オートバイ・バイク・二輪車、オリジナルマフラー公式サイト

オートバイのオリジナルマフラーを中心にバイク・二輪車のスペシャルパーツを開発しお届けします。
”気持ちイー!”で世界中のライダーを愉快にさせるために。
MT-09、MT-07、YZF-R25、XSR900などの交換用マフラーを取り揃えています。
オートバイ、バイクのマフラーの交換、カスタムチューニングはお任せください。